フォンテインズD.C.が語るスマッシング・パンプキンズやKornからの影響――最新作「Romance」インタビュー
シェイン・マガウアンとシネイド・オコナーについて
――今回のアルバムは、昨年亡くなった母国アイルランドの偉大なアーティスト、ザ・ポーグスのシェイン・マガウアンとシネイド・オコナーにささげられています。彼らは2人にとって、またフォンテインズD.C.というバンドにとってどんな存在でしたか。
トム:シェインはいつだって、僕たち全員にとってインスピレーションを与えてくれる存在だった。彼の詩的で、かつ挑発的でいて美しい言葉たちは、僕たちの魂を揺さぶり、心の奥底に眠っていた何かを呼び覚ましてくれるものだった。彼の影響は僕たちの音楽の根底を支える土台だったし、彼との出会いは運命だったと改めて思うよ。
彼が亡くなったことはアルバムのレコーディング中に知ったんだ。僕らはフランスにいて、それでみんなでバーに集まって、彼のことをしのびながら一杯やろうってことになった。まさかこんな別れが来るなんて、本当に悲しかったし、とてもショックだった。彼の突然の死は、今も心の傷として残っている。
カーリー:グリアンが彼を“北極星”だって表現していたんだ。まさにその通りだなって思うよ。キャリアで迷うことがあったらいつも、彼の音楽が道しるべになってくれた。どんなに暗闇の中をさまよっていたとしても、彼の音楽が僕を正しい方向へと導いてくれた。計り知れないほどのインスピレーションを与えてくれたし、彼のソングライティングから学んだことは、僕の音楽の根底を支える礎になっている。彼は僕にとってなくてはならない、唯一無二の存在だった。彼がいなかったら、今の自分はなかったと思うよ。
――シネイド・オコナーについては、前作の「Skinty Fia」でも大きなインスピレーションだったとグリアンが話していましたね。
トム:シネイド・オコナーが亡くなったと知ったときのことは、今でも鮮明に覚えている。心の底から打ちのめされたような衝撃で、まるで胃をえぐられるような感覚だった。アイルランド中が彼女の追悼に包まれ、その光景は今もこの目に焼きついている。彼女の死は自分にとって大きな喪失だった。巨大な文化的喪失であり、でも同時に、大きなインスピレーションも感じたんだ。