あの2004年のときと23年は違った 岡田彰布へ星野仙一から「次はお前や。それで平田のことやけど…」
2023年は伸びしろにあふれたチーム
そんな前回監督の1年目と、今回、カムバックしての1年目。考え方や進め方はまったく違っていた。オレにはそんな猶予はない。なんでまた監督に呼ばれたのか。それはチームを勝たせるため。その一点。すなわちいきなり勝負のシーズンと、オレは気持ちを込めた。監督就任の記者会見で、「優勝する」とは言わなかった。でも優勝できるチームであることは強調したつもりよ。 長いブランクの間、ネット裏から阪神を追ってきた。あの2004年のチームは成熟した大人のチームやったけど、2023年は伸びしろにあふれた可能性満載のチーム。それをうまく引き出してやれば、優勝は十分に可能と判断していた。 そのためには何が必要か。これまであまり経験したことのない細かい野球の考えやったり、技術的なアレンジ。そのあたりを教えればこのチームはもっとうまくなる。だから決めた。「オレが動く」と。 阪神の野球、岡田彰布の野球はオーソドックスなものになる。すなわち投手力を含めた「守りの野球」に行き着く。それを徹底することを主眼に置き、攻撃では「1点を取る野球」を求める。野球は点取りゲームという人がいるけど、そうは点を取れるものではない。打線は水物。それなら守りを重視し、失点を防ぎにかかる。そして1点でも多く得点する。その1点、「オレが取らせる」と決めたわけですわ。 写真=BBM
週刊ベースボール