株や金が大きく変動するなか、ビットコインは6万2000ドル台で停滞
暗号資産(仮想通貨)はボラティリティが高いという評判を裏切り、暗号資産は8日、主要な伝統的資産の大きな動きに反応しなかったようだ。 ビットコイン(BTC)は6万2000ドルを少し上回ったところで停滞し、この価格水準を下回るたびにすぐに回復したが、それ以外は方向感なく取引されている。過去24時間では1.2%下落し、広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)のパフォーマンスと一致。イーサリアム(ETH)は同期間、ほぼ横ばいだったが、レイヤー1ブロックチェーンのアプトス(Aptos)のネイティブトークンであるアプトス(APT)は6%の上昇で目立った。 おそらく暗号資産空間で最もリスクの高い一角であるミームコインは、ここ数日の急騰の後、トレーダーが一部の利益を確定したことで売られた。時価総額が大きいミームトークンのペペコイン(PEPE)、ドッグウィフハット(WIF)、ポップキャット(POPCAT)は日中に約5%下落した。 これは、ハイテク株比率の高いナスダックが1.5%上昇するなど、米国株が上昇した日としては精彩を欠く結果だ。伝統的なリスクオフのセーフヘイブン(安全な避難先)であるゴールド(金)は1.5%下落し、原油とシルバー(銀)は過去数週間の上昇の後、ともに4%下落。イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」の指導者がイスラエルとの停戦の可能性に向けた取り組みを支持したと報じられたことで、中東情勢がエスカレートする懸念が和らいだことが、この動きの背景にあるのかもしれない。
暗号資産へのリソース配分
「イスラエルとイラン、中国の景気刺激策、米国連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ、トランプ氏の選挙のオッズなど、マクロ的なシナリオや取引可能な機会が圧倒的に多いため、伝統的な金融プレーヤーが暗号資産について考える精神的リソースが少なくなっているように感じる」と暗号資産トレーディング会社Arbelos Marketsの共同創業者、ジョシュア・リム(Joshua Lim)氏はテレグラム(Telegram)のメッセージで述べた。 「暗号資産の取引量とボラティリティが低迷する一方で、暗号資産に特化したコミュニティ自体が短命のミームコインのナラティブにますますシフトし、主要暗号資産から遠ざかっている」と同氏は付け加えた。 10月が強気な月になることを圧倒的に期待していた暗号資産投資家たちは、今月これまでのところ価格が下落または横ばいになっており、失望している。