【独自】渦中の経営者を直撃…悪質M&Aは介護業界にも 「本当に異常」残高わずか4000円 全員退去の施設も 警察は捜査できず【調査報道】
利用者(83) 「お友達と話もできるし。いいよ、ここは。ここがなくなったら困っちゃう」 一人暮らしの利用者も多く、買い物ができるようにと移動スーパーも立ち寄ります。 水落さんは、もうすぐ60歳という年齢も考え、経営はプロに任せて、現場に専念したいと思い、国の委託を受けたセンターに相談。 そこで紹介された仲介会社から、M&Aの買い手として勧められたのがA氏でした。 デイサービス施設運営 水落美香さん(57) 「自分は6社も経営してるんですと。その6社の名前も教えていただきました。こんなに沢山事業をしているのだったら、その一つに加わり、大きくしていく」 この時のA氏の音声が残っています。 A氏 「こちらとしては水落社長さんが現場に集中できる環境を提供する。集中するためにいろんな今までやっていたことは、全部こっちに引き継いでいただいて結構ですので」 水落さん 「わかりました。また全力投球で頑張っていきます」 A氏 「頑張ります。一緒に」 2022年4月、水落さんは、合同会社の出資持分すべてをA氏に譲る契約を結びました。 契約書には、水落さんに500万円を支払うことや、1000万円以上ある借入金の連帯保証を解除すること、水落さんを従業員として雇うことなどが記されました。 ところが、一部の支払いや連帯保証の解除が行われないまま1年近くが経ち、突然、会社名義のクレジットカードが、利用停止になったと連絡が入りました。 水落さん 「いくら使ってそのエラーが起きて、利用停止になったのかと聞いたら46万円」 明細を取り寄せてみると、A氏にカードを渡したその日に、六本木のキャバクラで17万円。他のキャバクラでも27万円。 水落さん 「一番がキャバクラです。六本木の。もう本当に異常ですよ」 「社会保険料の滞納。ガス代が引き落とされません。もうそれは毎日のようでしたよ」 A氏を問い詰め、会社の銀行口座を確認すると、譲渡した際、800万円ほどあった預金が…