【独自】渦中の経営者を直撃…悪質M&Aは介護業界にも 「本当に異常」残高わずか4000円 全員退去の施設も 警察は捜査できず【調査報道】
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介護現場で起きたM&Aをめぐるトラブルについてです。 介護サービスの経営者自身が高齢化する中、会社を買ってもらって、引き継いでもらおうというケースが増えています。 ところが、その陰で悪質な買い手による深刻なトラブルも発生しています。渦中の経営者を直撃しました。 【画像で見る】渦中の経営者A氏に…記者が直撃 ■株式譲渡からわずか3か月で…老人ホーム閉鎖 三重県の老人ホームで撮影された運動会の様子。職員たちが利用者に声をかけ、盛り上げます。 40人近い高齢者が入居していて、今年8月まで、笑顔の絶えない場所だったといいます。 しかし今、施設は閉鎖されてしまいました。 老人ホームの元職員 「もうこれはショックでしたね。ここが良かったと泣いている方がいっぱいいた」 一体何があったのか。きっかけは「M&A」でした。 今年5月、老人ホームを運営する会社のすべての株が、ある人物に売却されました。 その人物は、全国で複数の介護施設を運営しているというA氏でした。 老人ホームの元職員 「もっと大きな会社になって、職員の待遇も良くなるからいいことだと」 しかし、経営者が変わってすぐに異変が起きました。食事を提供する会社への支払いが止まり、従業員の給料も支払われなくなりました。 株式譲渡からわずか3か月で、利用者は全員退去を余儀なくされました。 老人ホームの元職員 「老後の生活を平和に平穏に暮らせるよう、手伝いたいと考えて介護業界に入ったので、利用者さんの平和な日常を奪っていったのが、僕自身一番許せないところ」 介護業界を中心にM&Aを繰り返していたA氏。トラブルは他の介護事業所でも起きていました。 ■「経営はプロに任せたい」M&Aで会社を譲ったが… 愛知県でデイサービス施設を運営している水落美香さん(57)。 合同会社を1人で立ち上げたのは、約10年前。小規模ながらも地域に寄り添う、家庭的な雰囲気を大切にしてきました。 入浴剤の泡にこだわったお風呂も売りの一つです。 利用者(90) 「すっきりした。腰が痛いもんで。家に一人でいるより、ここに来た方が楽しい」