【闘病】帰宅中に突然の歩行困難…『シェーグレン症候群』を発症「倦怠感があるのが当たり前」
若い頃の闘病経験が現在の病気との向き合い方にも活きている
編集部: 病気が判明した時の心境も教えていただけますか? Hydro_0430さん: 私の場合、若い頃にSLEを患った経験もあるので、シェーグレン症候群と判明した時もさほど驚きはありませんでした。「ああ、そうか」程度にしか思いませんでした。 編集部: 医師からはどのように治療を進めると説明されましたか? Hydro_0430さん: 「膠原病は基本的に完治することはなく、さまざまな症状に派生していく」と伝えられました。治療方法については、「定期的な検査をしながら内服や点滴で補正を続けていく」と説明されました。 編集部: 発症後も心境の変化などはありましたか? Hydro_0430さん: 若い頃にSLEを発症した時は、日常生活で諦めなければならないことがあって、理不尽だと思うこともありました。時には通院を無意味に感じて、辛いこともありました。しかし、時間の経過とともにその感情も変化しました。元々の性格もあるかもしれませんが、深く考えたところで何も変わらないし、自然とできることに注目するマインドに変化できたと感じています。 編集部: 病気が判明してから心の支えになったことは何ですか? Hydro_0430さん: 友人と遊びに行くことや、次は「あれをやりたい、これをやりたい」と思いつくものは可能な限り取り組んだことですね。入院中もやりたいこと、楽しいことばかり考えていました。 編集部: もし昔の自分に声をかけるとしたら、どんな助言をしたいですか? Hydro_0430さん: 膠原病の原因はわかりませんから、考えても仕方ないこともあります。ですが、強いて言うなら「睡眠はしっかり取るように」と「なるようになる、どうせだめではなくて、きっと大丈夫」と伝えたいです。
人生の1つの瞬間を大切に過ごすことが笑顔につながる
編集部: 現在の体調や生活についても教えていただけますか? Hydro_0430さん: 今は倦怠感を常に感じるという状態です。風邪が抜けきれずにだるいというイメージで、体がずっと重く感じます。倦怠感は可視化できず、「これくらい大丈夫」と思っていたら急激に悪化し、歩行すら辛く入院する羽目に何度も遭っています。正直なところ、常に倦怠感があるので、どの程度で受診すべきか未だにわからないのが本音です。 編集部: 「倦怠感が常にある状態」が当たり前になってしまうと異変にも気付きにくいですね。 Hydro_0430さん: そうですね。また生活面では、服薬をしていてもカリウム値が低い状態なので、カリウムの多い食品を積極的に摂るようにしています。病院の栄養指導部にもアドバイスをいただいて、食生活には気を付けています。 編集部: シェーグレン症候群や尿細管アシドーシスについて知らない人、意識したことのない方にメッセージをお願いいたします。 Hydro_0430さん: 尿細管アシドーシスだけに限った話ではなく、カリウムの欠乏は心停止につながることもあります。健康診断や人間ドックの検査は、欠かさずに受けるようにしてください。私は救急外来で「いつ心臓が止まってもおかしくない危険な状態だった」「よくこのタイミングで来たね、ラッキーだった」と言われました。 編集部: Hydroさんが医療従事者に期待すること、望むことはありますか? Hydro_0430さん: シェーグレン症候群を疑い、判明につなげてくださった研修医の方は柔軟な姿勢で、臆することなく論文や資料などを読み漁り、色々な提案をしてくださったのでとても感謝しています。現主治医もとても柔軟な考えの持ち主で、色々考慮してくださり、家族もみな感謝しています。ただ、原因不明な時期が続いたときは通院が辛かったです。患者は十人十色であり、医療従事者の経験不足や教科書・医学書通りでなくても、症状がある限り見限らずに粘り強く向き合ってもらえればと思います。 編集部: Hydroさんがご自身の経験を通して、大事だと思うことを教えていただけますか? Hydro_0430さん: カリウム欠乏と言われても、あまり聞きなれないかもしれません。私も同じで「カリウム? カルシウムじゃなくて?」と思い、最初はよくわかりませんでした。ですが、自分の健康は人間ドックや健康診断の血液検査でわかりますから、年に1度くらいは目を向けてみてほしいです。私の場合、ほんの数か月前の人間ドックでは正常値だったものが、入院時にはあっという間にカリウム値が下がっていて驚きました。 編集部: 最後に本記事の読者向けにメッセージをお願いできますか。 Hydro_0430さん: なによりも、健康や命は大事です。いろいろと困難なこともあると思いますが、その瞬間を大切に過ごしてください。読者の皆さんが、きっと良いことがあると思いながら日々を過ごしていけたらと思います。