「責任の重いポジション」「成長を実感できる」 東北大新2年生の4投手は全員、大学から投手挑戦
正捕手確立も「Aクラス」入り達成の鍵握る
正捕手候補の大橋周吾捕手(新4年=八戸)は、「(新2年生の4投手が)良くなると、投手陣がぐっと変わると思う」と期待している。「これまでピッチャーのオフシーズンを過ごしていないので、ノウハウを持っていないはず…」と気にかけ、練習のペースや内容について後輩捕手を通してアドバイスすることもあるという。 大橋自身は、3年時までは指名打者や代打での出場がほとんどだった。ここ3年は1学年上の大澤亮捕手(秩父)が正捕手の座を守り続けた上、前主将の小林厳捕手(江戸川学園取手)もいたことから、「自分が守ることはないだろう」と考えることもあった。今春卒業を迎える大澤と小林から授かった「キャッチャーは守備」との教訓を胸に、今オフは守備練習に力を入れ、投手陣とのコミュニケーションも積極的に図っている。後輩へのアドバイスはその一環だ。 昨秋は打撃を強化するも、打率.063(16打数1安打)と奮わず。一方、守備面では収穫もあった。リーグ戦で初めてマスクをかぶった東北福祉大2回戦。先発の佐藤昴を好リードし、途中交代した6回まで強力打線を1失点に抑えた。大橋は「ベンチから見る景色と全然違った。守る経験をできたのは大きい」と振り返る。個性豊かな投手陣をリードする捕手の存在も、チームの命運を左右することとなりそうだ。
東北大は3月に入ってから独立リーグの球団とのオープン戦を組むなど、対外試合をこなしながらリーグ戦開幕に向け調整を進めている。今年こそ上位に食い込み、飛躍の1年とすることはできるか--国立大の逆襲が始まろうとしている。
(取材・文・写真 川浪康太郎)