【センスあふれる古牧ゆかりさんの旅の記憶】ウズベキスタンで出会った素敵な物
これまで世界55カ国以上を旅して集めてきた器やファブリックで、“自分らしく心地よい空間”を作り上げている、スタイリスト古牧ゆかりさんの部屋をレポート。第13回はウズベキスタンで出会った素敵な物を旅の記憶と共にご紹介 【写真】古牧ゆかりさんがウズベキスタンで買った愛用品とは?
中央アジア5カ国のひとつであるウズベキスタンは、かつてシルクロードの要衝として栄え、古くから東洋と西洋の文化が交錯した場所。14世紀にはティムール帝国の中心地となり、イスラム文化も隆盛。当時建てられた美しいイスラム建築の数々のほか、旧ソビエト時代の面影も随所に残る。 「大陸の歴史に翻弄された場所ではありますが、ヨーロッパ的なエッセンスとイスラム文化がうまく共存していて、街はとても美しいし、そこで生まれる工芸品や雑貨にも、いろんな要素が混ざり合っているように感じます。エキゾチックな模様や絵柄、独特な色使いはウズベキスタンならでは。私の部屋もいろんな国の物が混然一体と共存しているので、ウズベキスタンのムードは心地よかったですし、持ち帰った食器や雑貨も、違和感なく部屋に調和してくれています」
プラハにある “月と星の宮殿”ことスィトライ・マヒ・ホサ宮殿。外は洋館のようだが、内部は東洋と西洋の建築様式が混在した豪華な造りに
お皿を購入したギジュドゥヴァンのギャラリー。ウズベキスタンは、青の釉薬を使ったリシタンの陶器が有名だが、ギジュドゥヴァンの陶器は、深い黄色や緑の鮮やかな色使いと星や太陽の大胆な柄が特徴
ウズベキスタンの伝統的な織物、スザニにも多様な国のエッセンスが感じられたそう。 「スザニは、シルクやコットン生地に絹糸で刺繍を施したもの。幾何学模様や自然界の草花、太陽などいろんなモチーフの絵柄が刺繍されているんですが、よく見ると、日本の伝統文様っぽいものがあったり、北欧のモダンなテキスタイルっぽいものがあったりして、とてもおしゃれ。好きな生地を選んで、ストールなどを作ってもらうこともできましたが、特にシルク製だと高価だったので、完成品のコットン製のポーチを購入しました。でも、生地だけを買って額に入れて飾る、というのも素敵だったかも……とちょっとだけ心残り」 写真は、さまざまな模様で彩られたスザニを販売していた織物店。