「信号無視には当たらないと思った」熊本市電が交差点で赤信号止まりきれず33メートル走行 原因はイチョウの落ち葉か 2024年で運行トラブル15件目
熊本市交通局は熊本市電が12月21日に赤信号を無視して横断歩道を通過する運行トラブルが発生したと23日に発表した。熊本市電の運転士は「信号無視には当たらないのではないかと思った」などと話したという。運行トラブルは2024年に入って15件目だ。 【画像】熊本市電が止まれず停止線から33メートル進入した現場
赤信号で止まりきれず交差点進入
熊本市交通局によると、『バス・電車無料の日』だった12月21日午後6時46分、熊本市中央区大江5丁目の交差点で、健軍町行きの熊本市電が赤信号を確認し、停止のためのブレーキをかけたものの、停止線を越え、横断歩道も通過。停止線からは33メートル過ぎた辺りで止まったという。 横断歩道の信号は青だったため、すでに渡った人や渡ろうとしていた人がいたということだ。乗客20人にけがはなかった。 外部からの通報を受け、熊本市交通局が熊本市電のドライブレコーダーの映像を確認し、信号無視が発覚。男性運転士は「自動車の進行を妨げておらず、信号無視には当たらないのではないかと思った」などと話し、トラブル発生時に行うことが定められている、『報告』を怠っていた。 熊本市交通局は、「軌道にイチョウの落葉があり、イチョウ特有の油分の影響で軌道が滑りやすくなっていた。早めのブレーキ操作が必要だった」としている。 12月23日、熊本市交通局の松本光裕局次長は「今年に入り、度重なる運行トラブルを発生させ、組織における非常事態として再発防止に取り組む中、このような事案を発生させたことは交通局として大変重く厳粛に受け止めております。誠に申し訳ありませんでした」と陳謝した。 熊本市電の運行トラブルは2024年に入って15件目で、熊本市交通局はインシデントに該当するとして九州運輸局に報告したということだ。 (テレビ熊本)
テレビ熊本
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