独立開業する士業はオフィスを持たないと成功できない? (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■来客も少ない創業期に「無理」はしても「見栄」を張る必要はない
特に男性に多いのが、「事務所くらい見栄えがよくなければ」という、どちらかといえば見栄に関する感情です。たしかに立派な事務所を持てればそれに越したことはありませんが、単なる所長の見栄のために事務所の経営が傾いたのでは、働いているスタッフにとってはたまったものではありません。 業務拡大のために少し無理をして事務所を構えよう、というのであれば私も応援できますが、単なる見栄で「事務所くらい持たないと」といってお金がなくなってしまうのではアドバイスもできません。「まずは事務所を引き上げましょう」というのが最初の進言になってしまいます。このように、お金のかけどころは採算が取れるもの、あるいはその必要があるものから進めていきたいものです。 ところで、もし事務所を借りることが現実味を帯びる段階になってきた場合には、まずは具体的に物件を見に行きましょう。そして、正確にかかる金額を調べます。こうすることによって、必要な保証金など独立事務所にかかわる金額がわかります。金額が把握できれば、やるべきことや増やすべき売上がわかってくるので、独立事務所は現実のものになりやすくなります。 なお、最近ではオフィス物件だけでなくレンタルオフィスと呼ばれる簡易オフィスも増えています。こうしたレンタルオフィスは比較的初期費用が抑えられるのでお勧めです。実は私の最初の独立事務所も、このレンタルオフィスから始まりました。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。