ベンチャー企業で働いていますが、かれこれ2ヶ月給料をもらっていません。これって「ブラック」ですか?
給料は仕事で果たした役割や成果などの労働に対する対価として、事業主から支払われる賃金を指しています。給料の支払いは雇用主の義務ですが、その義務を果たさない企業も少なからず存在するのが現状です。 本記事では、ベンチャー企業で働いている方が2ヶ月給料をもらっていない場合、企業がどのような責任を負うか、労働者側でどのように解決するかなどを紹介します。
給料の未払いは労働基準法違反
給料の支払いは雇用主である企業の義務です。労働基準法は第24条において「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」としています。今回のベンチャー企業で発生した給料2ヶ月分の未払いも、労働基準法違反に該当する可能性が高いでしょう。つまり、どのような企業でも2ヶ月の給料未払いが発生している時点でブラックといって差し支えありません。 ここではさらに、労働基準法における賃金に該当する項目や未払いに対する消滅時効期間を解説します。 ■賃金の未払いに該当する項目 労働基準法における賃金の未払いに該当するのは毎月の給料だけではありません。賃金に該当する項目は以下の通りです。 ●定期賃金 ●賞与やボーナス ●退職金 ●年次有給休暇 ●休業手当 ●割増賃金 ●名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの 労働者の退職日までに未払い分の賃金が支払われなかった場合、年14.6%の利息が発生します。この利息がつく賃金には、退職金は含まれませんが、賞与は含まれます。 ■給料の未払いに対する消滅時効期間は5年 労働基準法第115条において、未払いの給料には5年の消滅時効期間が設定されています。たとえ、給料2ヶ月分およそ40万円の未払いがあったとしても、5年間請求をせず放置してしまうと企業側の支払い義務がなくなってしまうのです。そのため、未払いの給料に対しては早めの対処が大切です。
給料未払いに対する労働者側の対応
今回のベンチャー企業での2ヶ月給料未払いを例にすると、給料が20万円の場合、2ヶ月分で40万円もの金額が受け取れていません。給料の未払いは生活にも支障をきたすため、早めに対策を打つ必要があります。 ■労働基準監督署に相談する 給料の未払いが発生したら、まずは労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署への相談は無料で行えます。労働基準監督署へ相談すると、行政指導で是正を図ってくれるので、待遇が改善する可能性があります。 給料が未払いである証拠として、さまざまな書類や資料の提出が必要になる可能性もあるため、まずは一度相談してみましょう。 ■弁護士に相談する 労働基準監督署でも対応が難しい場合は、弁護士へ相談するのも一つの手段です。証拠がない場合でも相談に乗ってくれて、証拠の集め方をアドバイスしてくれることもあります。また、労働者の代理人として企業に対して請求を行ってくれるため、交渉や合意書の締結など慣れてない手続きも任せられる点がメリットです。 ただし、弁護士に依頼する場合は費用がかかるため、まずは無料相談を利用して大まかな流れや費用を確認するとよいでしょう。