イタリアプロジェクトとバブル崩壊の余波[第1部 - 第3話]
バブル崩壊の余波が少し遅れてやってくる
佐藤:汐留で開催した「Creativitalia」を見たイタリア貿易振興会の会長がとても感動し、「ぜひ旭通信社と一緒にプロジェクトをやりたい」と言ってくれました。 そのプロジェクトは「アビターレイタリア」(アビターレはイタリア語で「住む」「生活する」の意味)という住居関連の企画で、日本のゼネコンをスポンサーにして、イタリアの建築家が晴海の会場に“未来の家を建てる”というもの。僕はそのコーディネートを担当しました。 日本からは建築家の高松伸、丹下健三、鈴木エドワード、伊東豊雄などが参加し、イタリア側でもマリオ・ベリーニ、エトーレ・ソットサスといった巨匠たちが参加しました。プロジェクトの目的は、イタリアの建材を日本に普及させることでしたが、今にして思えばとても大掛かりな試みでした。 しかし、バブル崩壊の影響が遅れてやってきたことで、次第に勢いが失われ、イタリア関連のプロジェクト自体も縮小していく方向になってしまいました。バブル崩壊の影響だけでなく、自分の力不足も強く感じる出来事でした。 次回は10/31(木)公開予定(隔週木曜日更新)です。