日本株、史上初の「日経平均4万円台」に到達…インフレのいま大注目の「プロ厳選・お金持ち企業5選」を実名紹介
ダイト(4577)
■株価(6月14日時点終値)2250円 製薬企業向けの原薬と製剤の製造販売が主力。特に後発薬(ジェネリック)の分野で競争力の高さを発揮しており、全売上高の約80%を占めている。政府が後発医薬品の供給不足問題の解消に向けて本腰を入れる中、国内シェア20%を有するトップ企業である同社の役割は大きいだろう。 ここ数年は、強固な財務体質を背景に積極投資を進めてきた。研究開発では、高薬理活性製剤の研究に注力し、抗がん剤を中心に高付加価値製品の開発を進めている。また、2024年に稼働を開始する新工場では、早期に高い稼働率が見込まれる。2025年1月には第十製剤棟の2期生産設備も完成予定で、2026年4月からの商業生産開始が期待される。 潤沢なネットキャッシュを強みとする積極投資の負担から、フリーキャッシュフローは4期連続マイナスだが、原薬価格の上昇と販売数量の増加などによって、2025年はプラス転換が期待される。株主還元の強化も期待できそうだ。米国や中国市場への製剤販売承認取得に向けた対応も進めており、国際展開も視野に入れた成長戦略にも期待したい。
インターアクション(7725)
■株価(6月14日時点終値)1587円 スマートフォンや自動運転の「眼」となる CMOS(シーモス)イメージセンサーの検査用光源装置で世界首位。CMOSイメージセンサーで重視されるポイントが微細化技術から高感度化へ移るトレンドが追い風となり、2025年以降に本格的な回復を迎える期待がある。中国スマートフォン市場の回復やAI搭載スマートフォンの普及、米国や欧州向け顧客開拓の進展なども期待材料となりそうだ。 潤沢なキャッシュを背景に光源装置分野での新製品開発に注力し、従来の低利益率の製品から高収益性の新型光源装置への移行を進めている。長年の技術蓄積に裏打ちされた製品競争力と顧客からの信頼には強みを持ち、新型光源装置も競争力の高さから、収益性の向上が見込まれている。また、海外顧客向けにも需要回復に備えた準備が整っており、今後の売上拡大が期待できそうだ。 さらに、同社はIoT関連やレーザー加工、AI画像処理などの新規事業にも積極的に取り組んでいる。特に半導体関連市場向けのダイシング装置は2024年に提供を開始し、2028年には売上高6億円を目指している。新規事業が順調に進展すれば、同社の業績は大幅に向上するだろう。 米国株市場でも、過剰な手元資金を有効に活用する企業は、投資家から高く評価されている。例えば、時価総額首位に返り咲いた米アップル社は、ネットキャッシュをゼロにする方針を掲げている。インフレ環境は、お金持ち企業の資本効率改善を促進し、企業価値向上を加速させる可能性がある。企業は眠っている資金を有効活用し、更なる飛躍を目指すべき時代に突入したといえそうだ。
宇野沢 茂樹(証券アナリスト)