ヒョンデのヌービルが痛恨スピン、4番手後退「レッキ中のミスの代償を払った」/WRC第12戦 デイ3コメント
10月19日(土)、チェコ、ドイツ、オーストリアを舞台とする2024年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリーのデイ3が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。 【写真】安定した走りで総合5番手につける勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)/WRC第12戦 日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合5番手で大会3日目を終えた。そんなデイ3を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。 ■Mスポーツ・フォードWRT ●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイリタイア 「ロードセクションでフロントディファレンシャルに大きな問題があることに気づいた。フロントに駆動力がまったくない。つねに後輪駆動でドライブしているようなもので、土があるとすぐにまっすぐ走らせるのが難しくなる」(SS9) 「ドライビングが本当に難しくて、もっとスピードを落とすべきだ。ただ、何かがうまくいくときもあって、グリップがあるときは大丈夫なんだけれどね。今日はもう、完全に僕たちのラリーではない」(SS10) 「安全第一だ! 今日の僕たちのラリーは終わってしまった。出発後のロードセクションでフロントデフの異常が分かって、クルマは予測不可能な状態に陥っていた。クラッシュで他の部品が壊れてしまったので、今日はもうこれ以上頑張る必要はないよ」(SS11クラッシュ後※本人公式フェイスブック) ●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合7番手 「いくつかのセクションでは昨日よりもさらに湿っていて、グリップが大きく変化している。ブレーキングの始まりがひどいときもあり、20メートル進んでいると思っていたら、エイペックスから50メートルも離れていることがあるよ」(SS9) 「突然グリップがなくなることがあったが、道幅が広かったので真っ直ぐ走った。草の上で少しタイムを失ってしまった。ドライなところは、なんとかやり遂げたいね」(SS11) 「いろいろ試しているところだ。うまくいかなかったことがひとつあったが、少なくとも別の方向に進みだしたことは分かっている。ダンパーに試したことがあったが、それはあまり役に立たなかったな」(SS13) ●ジョルダン・セルデリディス(#19 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合24番手 「時々湿っている部分があり、霧が出ているが、それほどではないので壊滅的というわけではなかったかな。高速のステージで、素晴らしいところだ」(SS9) 「湿っていたり、乾燥していたりして、マシンが通ることでさらに悪化すると思う。湿っていてとても滑りやすいが、これは素晴らしいステージだ」(SS11) 「サービスで出力の問題を修理したんだ。あのようなステージを走れて本当に幸運だよ。とても素晴らしくて楽しい時間だった。パワートレインの不調は、マッピングに問題があったのだと思う」(SS13) ※いずれもSS走行直後の公式インタビューより ■ヒョンデ・シェル・モービスWRT ●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合4番手 「今日起きたことには当然ながらとてもがっかりしている。レッキ中のミスの代償を払った。残念だが、これが現実だ」 「今週末は首位争いをすることになるとは思っていなかった。ラリーを完走するという目標を持ってここに来たが、昨日はタイトル候補全員と、また、重要なマニュファクチャラーズポイントをめぐって、接戦を繰り広げる状況だった。速いドライビングをする必要があり、今日はできる限りのことをした」 「明日はできるだけ多くの追加ポイントを獲得し、余裕のあるリードとともにラリージャパンに臨めるよう努力する必要がある。ステージはかなり面白そうだ。今日よりも乾いて、トリッキーさが和らぐことを期待している」 ●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合2番手 「かなり張り詰めた一日だった。午前中は良くないステージがひとつあり、タイムを失いすぎてリズムが充分ではなかった。でも、午後は最初のステージでマシンは本当によく機能した。もっとも難しく汚れていて、手強いコンディションだったけれどね」 「次のふたつはクリーンすぎてグリップが高かったので、僕のセットアップではマシンからスピードを引き出すのに充分な敏捷性が出なかった。昨年の傾向からも分かっていたことだったので、許容度の広いマシンを準備したいと思うものだ」 「今年の路面状況は少し異なるが、マシンはドライビングするのに悪くはない。ただ、良いコンディションではトップスピードが出ないだけだ。チャンピオンシップに向けて重要なポイントを持ち帰るためには、明日は全員が力強い一日にする必要がある」 ●アンドレアス・ミケルセン(#9 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合33番手 「今日はスーパーサンデーに備えてマシンのセットアップに少し取り組んだ。2回目のループでは状況がまったく異なり、はるかに乾燥していたので、いくつか変更が必要だった。全体的に順調で、クリーンなループになった」 「大きなリスクを冒すことを避けていたので、確かにまだタイムを伸ばす余地はあるが、離れすぎているとは感じていない。マシンでいくつかのことをテストし、そのうちのいくつかはうまくいったので、正しい方向に進んでいる」 「でも、明日に向けてもうひとつギアを上げる必要があることはわかっている。チームのマニュファクチャラーズ選手権の戦いに貢献したいので、気持ちを新たにしてベストを尽くすよ」 ■TOYOTA GAZOO Racing WRT ●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合首位 「一日を通してかなりの接戦が続いたが、満足しているよ。今朝はトリッキーなコンディションになったが、我々は安定した走りができていたように思う」 「ループの1本目のステージでは午前、午後ともオット(・タナク)が非常に速かったので、すぐに反撃しなくてはならず、とくに午後は、ふたたびリードを拡げるために全力を尽くした。一日の最後の2本のステージではさらにプッシュしたが、5秒という差はそれほど大きなアドバンテージではないので、明日も同じようなアプローチが必要になるだろう」 「自分たちにとって6カ月ぶりのターマックラリーであることを考えると、ここまでのところ良い週末になっていて、クルマも好調だと言える。土曜日を終えた時点での順位により、マニュファクチャラー選手権でも追い上げているので、明日もさらにポイントを獲得できるように頑張りたい」 ●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合3番手 「昨日よりもさらに変化に富んだコンディションの道で、堅実に戦うことができた一日だったと思う。とくに午前中は霧によって路面がかなり湿っていたので、非常に難しいコンディションだった」 「我々のルートノートクルーが走った後、自分たちが走るまでの間にかなりコンディションが変化していたので、我々自身の判断で対処せざるを得なかったところもあったが、タイムを見る限りそれほど悪くなかったようでよかったよ」 「午後はコンディションがドライになっていったが、それでも道は泥でかなり汚れていて、あまりうまく対処することができなかった。マージンはかなり少なく、そこで少し遅れをとってしまった。それでも、チームにとってはいい一日になったので、明日もさらなるポイント獲得を目指して戦い続けるよ」 ●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合6番手 「今日はとても楽しむことができたよ。午前と午後ではコンディションがやや異なり、午後は路面が乾いていったのでグリップが良くなっていったんだ。しかしそれは、新たに学ばなくてはならない、異なるチャレンジでもあった」 「とにかくトライして頑張るしかない状況だったが、ラリー1カーでそうするのは非常に大変なことなんだ。上位の選手たちは非常に速くハイペースだが、初めてのターマックラリーでここまで近づくことができているので満足しているし、改善に向けて多くのアイデアがあると思う」 「すでにラリー中に改善を進めていて、とてもうまくいっているし、自信も順調についてきている。明日、このクルマでさらに4本のステージを走るのが楽しみだ」 ●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合5番手 「今日もクリーンに一日を走り切ることが目標でした。午前中は、路面が頻繁に変化しグラベルが路面に出ていた最後のステージを除くと、うまくいきました」 「その最後のステージでは、コーナーでブレーキング中にグリップが充分でないことに気づいたので、あえてそのまま真っすぐ行くことにしました。草の上を長い時間滑走しているように感じましたが、問題を抱えることなく道に戻ることができました」 「午後のループは、路面がかなり乾いたので走りやすくなり、クリーンに走り切ることができました。明日は、まず最初の2本のステージで良い走りをして、パワーステージで何ができるか様子を見るつもりですが、自分がするべき仕事はチームのために戦うことです」 [オートスポーツweb 2024年10月20日]