大相撲・三役復帰33歳正代、ご当所九州場所で気合十分…戻った圧力と粘り「しょうゆはこっちの味が好き」
大相撲九州場所(10日初日・福岡国際センター)では、熊本県出身で昨年夏場所以来の三役復帰を果たした小結正代(33)(時津風部屋)が活躍を期している。師走が近づき、徐々に肌寒くなる中、元大関がご当所場所を熱く盛り上げることができるか注目だ。 【表】最近の正代の成績
33歳の誕生日を迎えた5日、時津風一門の連合稽古で、錦木を相手に何度もぶつかった。報道陣に何歳まで現役を貫きたいか問われると、「35歳は超えたい」と語った。
7月の名古屋場所、9月の秋場所で連続して10勝を挙げ、良い流れで福岡へ乗り込んできた。10月末には出稽古に来ていた霧島、大栄翔の両関脇と稽古。「番付が上がり、厳しい戦いになる。ここ2場所のことは考えないようにしたい」と表情を引き締める一方、「しょうゆは、こっちの味が好き。(九州場所での)三役復帰はいいタイミング」と、地元ファンへの思いもにじませた。
2020年秋場所では初の賜杯を手にし、大関を13場所務めたベテラン。不調のときは、あっさりと土俵を割る取組も多かったが、ここに来て立ち合いからの圧力、土俵際での粘りが戻ってきた。「(本場所で負けた時は)力の差なのか、調子が悪いのか、探り探り臨んでいる」と語る正代は、先場所について「全体的に攻める相撲が多かった。それが星につながった」と分析する。
師匠の時津風親方(元幕内土佐豊)は正代について「自分をしっかり持っている」と評する。控えめな性格で知られるが、相撲に対し真摯に向き合う姿勢は今も昔も変わらない。秋場所で完敗した大の里との対戦へ向けては「しっかり当たりたい」と同じ轍は踏まないつもりだ。
九州勢の中でも高い人気を誇り、福岡国際センターには、例年通り地元の熊本県宇土市などから応援団が駆けつける予定だ。「人気なんてないですよ」と自虐的に語ることもあるが、はい上がってきた実力者の一番一番に、大きな声援が送られるはずだ。(丸山一樹)