働いているのに「障害年金」もらっているなんてズルい!〈月収20万円〉〈年金月5万円〉の42歳男性、ネット民からの攻撃に悲鳴
障害年金は「働きながらでも受け取ることができる」のだが…
ここで疑問に思うのが、「働くことができるにも関わらず、障害年金を受け取ることはできるのか」ということ。 結論から言うと、障害年金は働いていても原則、受け取ることができます。厚生労働省『令和元年障害年金受給者実態調査』によると、全体の34.0%が「仕事あり」。全体の6.2%が正社員・正職員として働いています。厚生年金1級に限ると、13.5%が「仕事あり」、4.2%が正社員・正規職員、厚生年金2級では29.6%が「仕事あり、8.8%が正社員・正規職員、厚生年金3級では58.6%が「仕事あり」、26.8%が正社員・正規職員です。 ただし、日常生活で問題なく働いていると、年金の支払いが停止される場合もあります。だからでしょうか、「障害年金を受け取る人たちは働けないふりをしている」と考える人もいて、批判を繰り返しているようです。
仕事に制限…低収入の障害年金受給者
働くことができるのに、障害年金をもらうことができる……モヤモヤする気持ちを抱くのも分かります。ただ実際に受け取ることができるのは、障害によって仕事に支障が出るようなケース。前述のとおり、問題なく働ける状態になれば、基本的に年金の支払いは停止となります。 障害年金の支給を受けている人は、障害により仕事が制限され、低収入とされています。厚生労働省『令和5年度障害者雇用実態調査』によると、精神障害者の1ヵ月の平均給与は14万9,000円。この結果が障害年金受給者の収入とイコールとはいえませんが、障害の結果、労働が制限され給与減、低収入の可能性が高いのは明らかです。不足分のカバーもしてくれる制度と考えれば、働くことができても障害年金が受け取れることに少しは納得感が得られるのではないでしょうか。 男性の場合、年金は月5万円程度、収入は月20万円程度。40代前半のサラリーマンの平均月収は38.0万円なので、その半分程度。障害厚生年金の存在はありがたいものです。 男性いわく、「攻撃をしてきた人たちは、同じようにメンタルの不調の人たちが多いのだと思います。障害年金の申請はかなりのハードルで、楽なものではありません。申請が通らなかった人たち、申請を断念した人たちに嫉妬されることも多くて……」。複雑怪奇な年金制度。男性は、その犠牲になったといえるかもしれません。 [参照] 日本年金機構『障害年金』