【独自解説】ついに発足した石破新内閣、“意外な人選”の狙いと思惑 『幹事長』は古き良き自民党員、『外相』は首相を“たてられる人”…各所に影響する麻生太郎氏の存在感
■経営者出身・武藤経産相は『青年会議所』元メンバー 麻生氏とも深い繋がり
そして、経済です。2024年9月30日の日経平均株価は、最大時間内は2000円で、相場的にいうと暴落しました。経済記者が解説していた中でも、「経済政策をどうしたいかが見えない」「何にお金をかけて何で儲けるかが見えない」という話がありました。
経産相・武藤容治氏は岐阜の3区で、父は自民党の元幹部でしたので、岐阜ではよく知られた人物です。しかし、武藤氏は少し特異な前歴を持っていて、経営者出身です。昔は自民党にも多かったですが、今は元官僚の方でも「父親の地盤を引き継ぐ」という人も多いです。
武藤氏の前歴は、建材商社社長・名古屋のFM局取締役・酒造会社社長など幅広くやっていましたが、基本的には中小企業の社長です。
日本には全国に『JC(青年会議所)』という組織があり、中小企業の次代を担う経営者たちが集まって、地域を盛り上げようということをやっています。武藤氏も、そこの一人でした。
そして、「俺も昔やっていたんだよ」という方が一人います。麻生太郎氏です。しかも、この方はトップだったんです。今も、全国の中小企業の若手経営者からの情報が集まると言われている方で、当然武藤氏は麻生派です。
武藤氏が経産相になったからといって、どういう経済政策をするかは、まだわかりません。しかし、市場が落ち着くという予想が出ているのは、武藤氏が経産省と協力して打ち出してくる政策が、岸田前首相の路線の継続であるならば、つまり金融緩和も少し曲がり角にして、賃金も上げて…ということで、変わらないということです。
■アポイントメントを後回しにされる?選挙急ぐワケは米・大統領選か
最後に、ゆっくり国会をやると言っていたのに、なぜ慌てて10月27日に総選挙なのかというと、カレンダーを見れば一目瞭然です。 11月5日に、アメリカ大統領選挙があります。石破氏は、“トップ外交”に行かなければいけません。
この大統領選挙の前に、できれば、今のところ少しあやふやだといわれている権力基盤を固められれば…という思惑があります。予定通りに行くかどうかはわかりませんが、選挙に勝って、安定政権になるぐらいの数を取っておきたいということです。
アメリカ大統領は、当選が決まったら世界中から「会ってください」とアポイントメントが来ます。安倍元首相がすぐに行ってトランプ前大統領と会えたのは、あの時、安倍元首相は選挙に強く、トランプ前大統領も「長く続く強い政治家だ」と思ったから会ったわけです。 そうなると、「私は長続きできる人です」という成績を持っていかないと、アポイントメントを後回しにされます。日本がどう思われているのかは、そのうちわかります。(『読売テレビ』高岡達之特別解説委員) (「かんさい情報ネットten.」2024年9月30日放送)
【関連記事】
- 【動画】「豹変した」野党から反発受ける自民党・石破茂“新”首相、13人が初入閣の新内閣発足へ 注目される5人の「元職」とアメリカの反応
- 【独自解説】「森山裕幹事長が積極的に推したと聞いている」自民党・石破茂新総裁が一転「早期解散」表明の裏で、一体何が?高市氏・“安倍派”との軋轢を生む新人事に波紋広がる
- 【動画】ロシア軍機が日本の領空侵犯 航空自衛隊が初めて「フレア」による警告実施 “撃墜”なら国際問題に 日本の空の安全を守るためには何をすべきか
- 【驚愕】「かなり巧妙な手口です」俳優・要潤さんも被害に…偽の警告で金銭を騙し取る『サポート詐欺』が“進化”⁉実際にウイルス感染させられ操作不能になり騙される手口が増加中
- 【ナゼ?】「子どもがいるから困る」「必要なコストなのでお金かけるべき」東京23区の“ゴミ袋有料化”検討に様々な声…現役清掃員芸人が提言「ゴミを減らすのは、お金持ちへの一歩」