「日本人が歯を失う原因第1位」毎日3回歯を磨いているのに歯周病になる人の意外な共通点
■フッ素で「歯の健康」の基礎固めを 色々問題となる生活習慣を挙げてきましたが、実はなんとなく知っていたというものではなかったでしょうか? 一番難しいことは今の生活習慣を変えることですので、ここでは理想的な対策は一旦置いておいて、まずは一歩踏み出すための実践的な改善策に絞ってお伝えしたいと思います。 ・歯科医院に行く まずは1回「歯のメンテナンスをしたくて」などの理由で歯科医院にいってみましょう。そうすればお口の状況に合わせて今後どうすれば良いか教えてくれると思います。 ・フッ素入り歯磨き粉で歯周病を予防 歯磨き粉を選ぶ際には、フッ素が含まれているものを選びましょう。フッ素は、歯の表面を酸に溶けにくい状態に修復し、歯周病菌から歯を守ってくれます。歯の表面が酸で溶けると、歯周病菌が侵入しやすくなりますが、フッ素によって強固な歯を作ることで、虫歯や歯周病の予防につながります。 昨今、ホワイトニング歯磨き粉が人気ですが、ホワイトニング効果があまり期待できないものも多いように感じます。気づかずに歯周病になってしまっている状態でホワイトニングをしても本末転倒なので、まずはフッ素入りの歯磨き粉で歯周病予防をし、歯の健康を基礎からしっかり固めるほうが効果的でしょう。 ・夜は歯磨きに加えてフロスを活用 自宅では歯磨きの一環としてフロスを活用して、歯と歯の間にたまった汚れを取り除くことが効果的です。ドラッグストアやコンビニでどれでも良いのでまず買ってみましょう。使い方はYouTubeなどで見て真似するのがよいでしょう。 フロスを使用する際は歯磨き前に使うほうが効果的です。フロスで先に汚れを取り除くことで、歯磨き粉の成分が歯に直接届きやすくなるからです。
■歯と歯茎の境目の汚れは水圧で洗い流す もし、1日1回のフロスでもめんどくさいという方は、より簡易なジェットウォッシャーを使ってみましょう。 ジェットウォッシャーとは、細い水流を使って歯と歯の間や歯と歯茎の間を洗浄する手のひらサイズのガジェットです。通販サイトで3000円くらいの価格から販売されているので、手頃に始められます。 歯周病の要因となる歯と歯茎の境目の汚れは、歯ブラシやフロスで取り除くことが難しく、ジェットウォッシャーの水圧で洗い流すことで、より効果的に口腔ケアをすることができます。 歯周病は、初期段階では自覚症状がないため、気づかぬうちに進行してしまっているケースも少なくありません。 日本人の8割がかかっているという厚労省の調査からも、「自分は歯周病だ」という前提で治療を進めたほうが良いでしょう。毎日の口腔ケアや定期的な歯科検診、そして適切な生活習慣の見直しによって、予防しましょう。 本記事で紹介した、一歩を踏み出すための実践的な対策から取り入れていただき、日常生活の中で歯周病を防ぎ、全身の健康を保ちましょう。 ---------- 各務 康貴(かくむ・やすたか) 医師 大分大学医学部を卒業し、医師として救急医療や在宅医療に携わる。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感し、予防を予防として実践してもらうのではなく、切り口をずらして結果予防につながっているという世界観を目指す。マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。歯科と医科を繋げるリリモアクリニック内科歯科の院長を務めながら、新聞やテレビ、WEBメディアなどで予防医療について情報を発信している。 ----------
医師 各務 康貴