【現地ルポ】「死ぬかもしれない」「網戸の半分が大きな虫で埋まり」…「激震地」は横浜と中野! 日本家屋を食い荒らす新型シロアリの「恐ろしき正体」
「被害を周囲に話さない」
高橋氏はさらに、「新築時に永続性があり、カンザイにも有効な防蟻処理を行う場合は、追加費用は15~20万円で済みます。ただし、現時点でそのような防蟻処理に対応している工務店やハウスメーカーはまだ少ないのが実情です」と新築時にカンザイに対応してくれる工務店を選ぶことを強く勧めている。 そしてもう一点、シロアリ被害を拡大させている大きな理由がある。それが人間によるものだ。別の駆除業者はシロアリ被害の実情をこう語る。 「実際にシロアリ被害を受けたとしても自分の家が発信源と思われたくないという思いから周囲に被害を言いたがらないのが人間の心理。これは地域で生きるためのコミュニティの問題です。気持ちは痛いほど分かりますが、これがシロアリ被害を助長しているのは間違いない。実際、依頼者から『家に来る際は作業者や制服にシロアリ駆除と書いていないもので来てくれ』とお願いされるパターンも少なくなくありません」 家のみならず人間のコミュニティまで食い破るシロアリたち。空から襲い掛かるカンザイの登場は今後、日本の住宅事情を大きく変えてしまうかもしれない。
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