【現地ルポ】「死ぬかもしれない」「網戸の半分が大きな虫で埋まり」…「激震地」は横浜と中野! 日本家屋を食い荒らす新型シロアリの「恐ろしき正体」
「アメリカカンザイシロアリって何ですか?」
その後、複数のシロアリ駆除業者に連絡をしてみたAさん。しかし、返ってくる言葉は無情なものだったという。 「シロアリ被害を相談すると、まず『どのシロアリですか?』と聞かれます。そこで『アメリカカンザイシロアリです』と伝えると『あぁ、うちじゃ無理』と言われました。なかには『アメリカカンザイシロアリってなんですか?』という反応する業者もありました。 役所に連絡をしても業者も紹介してくれることもなく、取り合ってさえくれません。そこでボレイトさんに連絡を入れたんです。すぐに『中野は激震地です』と言われ、実際に自宅も見てもらって、ようやくカンザイの被害だと確信しました」(Aさん) その後は日に日に食われていく自宅をただ眺めることしかできなかったという。Aさんが続ける。 「最初は殺虫剤を使ったりして食い止めようと思っていたんですが、全く効果はなかったです。カンザイは外に出ようと明るいほうに飛んでいくので、ひどい時には屋根裏の換気口の網戸の半分ぐらいがカンザイで埋まっていたりするんです。それがもう気持ち悪くて…。慣れてきたのか、次第に飛んでいるカンザイの姿が目視で確認できるようになりました」 だが、そこでAさんが目の当たりにしたのは言葉を失う光景だった。
「死ぬかもしれない」
「うちからもカンザイが飛んでいくのが見えるんですが、近所の家から交換留学するようにカンザイが窓から飛んでいるのが分かるんです。そこで『ああ、もうどうにもならないんだな…』と悟りました。最近は近くで電車や2トントラックが通るだけで家が大きく揺れ、耐震性能が低下していることを感じています。揺れる度に『もう自分は死ぬのかもしれない』と思う日々が続いていました。このままではまずいと駆除をお願いしました」(Aさん) では、その被害はどれほど広がっているのか。まず駆除業者に案内されたのは何の変哲もない2階の一室だ。 「ここはすでにカンザイの被害が見えます」 スタッフの言葉をもとに壁や柱を見回すが異変はない。 「ここに木くずのようなものが落ちていますが、これがカンザイの糞です」 そうスタッフが指を向けたのは部屋の床。目を凝らすと確かに黒や茶色の粒が転がっているのが確認できる。一見すれば砂か木くずにしか思えないが、駆除業者の一人がそばの壁を叩くと壁紙と木枠の隙間から粒がこぼれるようにして落ちてくる。