「記念すべきJリーグ30周年なのに」サポーターの暴走が激増 原因はまさかの新型コロナ? 厳罰化へ、サッカー協会もレッズも動いた
Jリーグは今年で創設30周年。記念すべき年であるにもかかわらず、サポーターによる暴力や威嚇、器物の破壊行為といった問題行動が春以降、頻発している。8月の天皇杯全日本選手権で、浦和レッズのサポーター約70人が暴徒化した問題が記憶に新しいが、実はJ1からJ3まで、連鎖するかのように続いている。 危機感を抱いた日本協会は、Jリーグ、リーグ全60クラブと共同で「誰もが安心・安全にサッカーを楽しめる環境を広げる」とするメッセージを出した。再発防止のため処分の厳罰化なども検討が始まっているが、なぜここまで急増したのか。関係者の間では「新型コロナウイルス禍」の影響もささやかれている。(共同通信=名取裕樹) ▽横浜FCでも、ベガルタでも、ギラヴァンツでも… 最近のサポーターの問題行動は、主なものだけでもこれだけある。 ・5月、横浜FCのサポータ-が別のサポーターに暴行。 ・6月、J2ベガルタ仙台のサポーター100人以上が試合後、対戦相手チームバスを取り囲んで威嚇。
・7月、J3ギラヴァンツ北九州のサポーターが別のサポーターに暴力。 ほかにもJ2ジェフ千葉で1人が、J2徳島ヴォルティスは7~8月に計3人がそれぞれ侮辱行為やピッチへの物の蹴り込み・投げ込みで処分を受けた。 7月の天皇杯では、FC東京のサポーター4人が、ゴール裏観客席の観客が多いエリアで試合開始前、約1分20秒にわたり100発以上の花火と発煙筒に点火、観客1人にやけどを負わせた。4人は大旗の下に身を隠し、そこに切り込みを入れて花火を打ち上げる悪質さだった。 8月に暴徒化した浦和レッズでは、4月にも名古屋グランパス戦で警備員に暴行したという指摘もある。(浦和は、当事者が否定しており証明できないと発表) まだある。9月には鹿島アントラーズと柏レイソルの観客が運営スタッフや警備員に暴力を振るっている。 ▽「過去に類を見ない極めて危険かつ醜悪」 天皇杯を主催する日本サッカー協会は、特に浦和について前代未聞と言える厳罰を科した。来年度の天皇杯参加資格を剝奪したのだ。特に悪質な行為が特定できたサポーター計21人は国内全試合の無期限入場禁止処分。今後も行為が特定できた人物は処分するとしている。