ストリップ劇場で熊田曜子とMV撮影「熊田さんはプロ中のプロでした」
――テクニックが身についていない若い時だからこそできた曲とも言えますよね。そこにあるのはパッションのみ! みたいな。どんなジャンルでもそうだと思いますが、荒削りの良さというか。 「うまいこと乗せられてきましたよ(笑)。あるかもしれませんねぇ」 ――そもそも「花電車」は、どのようにして生まれたのでしょう。 「20歳ぐらいの時、大阪にある老舗のストリップ劇場『十三ミュージック』に行ったんですよね。当時はAV女優さんが出演するという時代でもあり、ショーの最後、『お待たせいたしました! 当店1年半ぶりのご来店です!』ってものすごくあおって紹介するもんだから、ウブな僕は“どんなに美しい人が出てくるのか…”期待に胸を膨らませていたんですよ。そしたらなんと出てきたのが、ずいぶんとご高齢の方で。心の声が“なんでやねん!”と叫んだんですけど、そのお方こそ有名な花電車という技の踊り手さんで。いきなりユーロビートがかかって、吹き矢をポンと飛ばして風船が割れるとか、タバコを飛ばしてお客さんがキャッチするとか、陰部を使った見事な芸! そうなると、僕も含めお客さんが『おおー!』っとなり、一瞬にしていやらしい顔じゃなくなったんですよ(笑)。エロ⇒リスペクトに変わるというか。この光景を見たら、すぐに曲ができました。歌詞もすぐに書けたんです」 ――私も花電車のショーを観たことがあるんですけど、なんていうか…芸に人生がにじみ出てるんですよね。 「そう、人生! 時を超えてMVを撮影しようってことになったんですけど、この曲はやっぱりストリップ劇場で撮りたいなと思って。で、道頓堀劇場さんに直談判したら、なぜか、すぐに『いいよ』と。当時ストリップをやっていた踊り子さんにも協力してもらうことができました。めっちゃありがたかったです」 ――元祖「花電車」のMVは、YouTubeですでに10万回再生を超えていますよね。この反響を受けて、熊田曜子さんが出演する「花電車テクノ」を? 「そうですね。この曲を掘っていこうと思いました。テクノバージョンにして、知り合いのプロデューサーにポールダンスができる熊田曜子さんを紹介していただいて」 ――熊田さんのポールダンス、妖艶で素晴らしかったですよね。 「熊田さんは、まず性格が素晴らしいですし、やっぱりプロ中のプロなんですよ。僕も現場で『さすがだな』と思いました」