気がつけば「自分の悪いところ探し」をしてしまう人の原因
「私はダメだ」と自分を責めていませんか? 完璧を求めるあまり、小さな失敗に心が揺れてしまう人も多いはず。でも、自信は貯金のようなものです。一時的に減っても、ゼロになることはありません。自尊心を取り戻し、自分らしく生きるためのヒントを、書籍『やりたいことができる私になる自信貯金』よりお届けします。 【脳タイプ診断】人間関係のトラブルの原因がわかる ※本稿は、有川真由美著『やりたいことができる私になる自信貯金』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
行動すれば自信はあとからついてくる
高校で「自信」をテーマに講演したとき、男子生徒がこんな質問をしてくれました。 「毎週末、早く宿題を済ませて遊ぼうと思うのに、いつもだらだらして宿題にとりかかれず、結局、月曜日の朝、ギリギリになってから必死でやることになってしまいます。いつもやるべきことを先延ばしにしてばかりで、自信がなくなっています」 そのあと、私と生徒の間で、こんな会話が続きました。 「でも、いつも月曜日の朝にやって、宿題が終わるんですよね?」 「はい。なんとか......」 「じゃあ、『朝の数時間、必死でやれば終わる』という自信がどんどん積み重なっているわけね。土日にやらないのは、『なんとかなる』って自信があるから。だったら、月曜日の朝やると決めて、それまでは思いっきり遊んだらどうでしょう?」 「そっちか!『早めにやる』っていう自信はどんどんなくなって、『ギリギリにやる』っていう自信はどんどんパワーアップしているんですね。でも、やっぱり、宿題が終わっていないのはストレスで、ギリギリはスリルがありすぎて嫌なんです!」 「なるほど。それなら、方法がないわけではありません......」 「自分の小さな期待に応えること」で、自信は生まれます。「自分の期待に応えられないこと」は、自信を奪います。大人でもあるはずです。「キッチンの棚の整理をしよう!」と思って、早数カ月。「英会話を学ぼう!」と思って、早数年。動かないと、「面倒くさいなぁ」「時間もかかりそうだしなぁ」と心がずっしりと重くなり、「忙しいから、いまじゃないよね」などと脳内で言い訳トークをして、また放置してしまいます。 しかし、「やるべきことを放置する」という宙ぶらりんな状態は、ストレスとして心にのしかかり、心のエネルギーも自信も奪ってしまうのです。「やらなきゃいけないけど、やりたくない」とグズグズしている自分に対して、スパルタ式に「いますぐやれ!」「根性なし!」などと叱ってはいけません。一時的に実行したとしても、本当に嫌になってしまいますから。そんなグズグズさんにかけるべきは、やさしいこのひと言です。 「ねぇ。10分だけ、やってみない?」 やる気になれないのは、「面倒くさそう」「時間がかかりそう」「たいへんそう」と、"大げさ"に考えているから。しかし、どんな大きな課題も、一つひとつは"簡単にできる小さなこと"でできています。 全部終えるのは難しくても、「10分やること」は、だれでも簡単にできるはず。宿題でも、キッチンの棚の整理でも「じゃあ、10分だけでも、やってみるか」とやり始めると、弾みがついて10分、20分......と熱中しているもの。熱中できなかったら、そこでストップして、また別の機会にやってもいいのです。 英会話を学びたいときも、「英会話アプリをダウンロードする」「英単語をノートに5つ書く」など、"簡単にできる小さなこと"に分解して実行しましょう。 とにかく、一歩進むことで、「自信貯金」はチャリンと貯まります。やる気も自信も、わいてくるのを待っていても無駄。自信がなくてもとりあえず動いているうちに、「やれる、やれる」と気持ちも乗って、あとからついてくるのです。 そして、もうひとつ、「宿題をしなければ」という義務感だったり、「仕事をやらされている」という押しつけだったりすると、消極的になるのも当然。一日のすべての行動を「やるべきこと」ではなく、「やりたいこと」にして、主体的に取り組みましょう。 宿題や仕事、棚の整理もやりたくなければ、やらなくてもいいのです。夢を叶えるため、お金を得るため、自分の成長や美意識のためなどに「今日はこのタスクをどうしても終わらせたい」「終わらせるのだ」など自分で決め、積極的な言葉を使いましょう。忘れないでください。言葉が行動を生み、行動が自信を生むのです。