「夏のボーナス、どう運用する?」社債やネット銀行の定期など「確定利付き商品」にも注目
「金利上昇局面に預けるなら変動金利か、固定金利なら期間の短いものが鉄則。今後金利が上昇してピークに近づいたときに新窓販国債10年物を購入すれば、高利回りの恩恵を10年間享受できる」 一部の証券会社などでは個人向け国債のキャンペーンを実施しており、購入額に応じたキャッシュバックが受けられる。例えば、みずほ証券や東洋証券で個人向け国債10年物を100万円購入すると、1000円の現金がプレゼントされる。 6月発行債の募集が締め切られる6月28日までのところが多いので、キャンペーンを狙うのなら購入を急いだほうがいい。 ■ 高利回りの米国債も選択肢の一つ さて、前述した「金利がピークに近づいたら云々」のセオリーがそのまま当てはまるのが米国債だ。米国の政策金利は5%を超え、連邦準備制度理事会(FRB)は利下げのタイミングを模索している。米景気が好調さを維持しており利下げ時期の予想は難しいものの、金利はピークに近づいていると言えるだろう。 個人でも買いやすいのは既発債が中心になるが、米国には超長期債があるので残存期間が20年を超えるものも少なくない。既発債を扱う証券会社のウェブサイトで確認すると、6月21日現在で実質利回りは4%を超えている。 円安傾向が続いているだけに為替の動向が気になるが、先のFPは長期保有が前提なら十分に検討の余地があると言う。 「利回りが高いので、残存期間の長いものなら償還時に円高になったとしても利息でカバーできる可能性が大きい」
■ スーパー定期(メガバンク)の20倍以上の利息受け取りも デジタルネイティブの若手会社員に勧めたいのは、ネット専業銀行のキャンペーンだ。 auのIDを持つ人なら、auじぶん銀行の「夏の1年もの特別金利+新規資金優遇キャンペーン」(7月31日まで)が利用できる。新規預け入れ分への現金プレゼントを含めた実質金利は最大0.55%。新窓販国債2年物の利回り(6月発行分0.4%)を上回る。 SBI新生銀行やオリックス銀行は新規口座開設のキャンペーンを実施しており、適用利率はSBI新生銀行の3カ月定期が1%、オリックス銀行の6カ月定期が0.6%(6月中に口座を開設し、7月に定期を作成したもの)だ。 メガバンクのスーパー定期の利率も上がっているが、それでも1年物以下は0.025%に過ぎない。ネット銀行ならゆうにその20倍以上の利息を受け取れるわけだ。 株式市場には欧州発の政治不安が暗い影を落としている。新NISAの投資家もこうした確定利付き商品で手堅くお金を運用しておけば、万一、株安が発生したときのリスクヘッジにもなりそうだ。 ※掲載内容は2023年6月21日時点。実際の投資や売買に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。
森田 聡子