「夏のボーナス、どう運用する?」社債やネット銀行の定期など「確定利付き商品」にも注目
■ 人気の社債投資、“情報戦”の制し方 昭和バブルの高金利時代を知るFPが注目しているのは確定利付きの金融商品だという。 「金利が上がって確定利付き商品にうまみが出てきた今こそ、一部を安全資産に回してリスク資産の比率を抑え、資産全体のバランスを取ることを考えたい」 確定利付き商品もいろいろあるが、先のFPのイチ推しは短期の社債への投資だという。 「日本の社債は基本的に格付けがBBB(トリプルB)以上の投資適格債で、安全性が高く、預貯金や国債より高利回りのものが多い」 転換社債や劣後債といった複雑な仕組みのものは避け、シンプルな普通社債で利息を取っていくのがいいという。 金利の先高観を背景に企業の社債による資金調達の動きが活発化し、2024年度の社債の発行額は過去最高ペースで推移している。この6月にもソフトバンクグループやアイフル、東北電力、四国電力などが個人向けの社債を発行している。 ただ、個人向けの社債のマーケットはそれほど大きくなく、社債専門の投資家も一定数いることから、人気の社債はすぐに売り切れてしまう。
社債の取り扱いが豊富なのは、発行時に幹事会社を務めることが多い大手証券だという。先のFPは「社債投資は“情報戦”。購入したいなら、こまめに証券会社のウェブサイトをチェックし、掘り出し物に目を光らせておく必要がある」と助言する。 ■ オススメは変動金利の個人向け国債10年物か新窓販国債2年物 ここに来て国債の金利も上昇してきている。国債は郵便局や銀行、信用金庫、証券会社など取り扱い金融機関の幅が広く、購入しやすいのが魅力だ。 個人が売買可能な国債には、新窓販国債(期間2年・5年・10年)や個人向け国債(同3年・5年・10年)がある。個人向け国債の10年物だけが変動金利で、他は全期間固定金利だ。いずれも原則、毎月発行されている。 新窓販国債は半年ごとに利払いのある利付債で、最低5万円から5万円単位で購入できる。購入後はいつでも市場価格で売却できるが、売却のタイミングによっては元本割れのリスクがある。 個人向け国債も同じ利付債だが、個人を対象とするだけあって1万円から購入でき、低金利時には下限金利(0.05%)の保証もある。その分、利回りは新窓販国債より低く抑えられている。購入後1年は換金不可だが、1年経てば元本割れすることなく換金できる。 これらのうち、先のFPが勧めるのは変動金利の個人向け国債10年物、もしくは新窓販国債2年物だ。