届いた1通のメール「子猫たちを受け入れてもらえませんか?」 警戒心が強かったけれど、今は仲良く寄り添う2匹
れんげさん(@8rjXhLaRHFwK9l2)に届いた一通のダイレクトメール。それは、Xのフォロワーからの助けを求めるメッセージでした。 【写真】子猫2匹を見守っていた、母親猫 メッセージにはこう書かれていました。「生後1ヶ月くらいからご飯をあげて見守っている子猫たちがいますが、最近居場所を追い払われてしまいました。近隣で虐待されている猫もいるので保護してあげたいと思っています。でも、私はペット不可の物件に住んでいるので自分では保護できません。あちこちの保護団体に問い合わせましたが、返信が来ないので、受け入れてもらえませんか?」 メッセージを送ってきたAさんは、2024年6月、2匹の子猫がドラッグストアの横の垣根の中にいるのを発見しました。 「ごはんをあげるとすぐに食べてくれたので、毎朝5時と毎夕18時半にごはんをあげて、毎日必ず携帯のメモに日記をつけていました。子猫たちが何時に、どこにいて、どれくらい食べたか、どんな様子だったか、「今日も酷暑だけど日陰で耐えるんだよ』とか、子猫たちへの思いも書いていました。ダンゴムシや蟻がたくさんいるところだったので、ご飯にすぐ虫がついてしまうので大変でした。でも、子猫たちにとって、人目につかないその場所がベストだったのだと思います。」 ドラッグストアの隣は緑道で、その下が車屋さんでした。後に、子猫たちは車屋の敷地内に置いてあった車の下などにいるようになったのですが、8月中旬、Aさんは、車屋のスタッフから「糞尿で困っている、お客さんの車に足跡がつく、どうにかしてもらえるか。誓約書かけますか?」と言われました。 「子猫たちが私に慣れてきていたので、そろそろ保護しなければと思いました。でも、すぐには保護できず、ご飯をあげながら、受け入れ先を探すことにしました。」 母猫はとても警戒心が強い猫でした。Aさんが餌やりさんに聞いたところ、約6年間この辺りで生きてきて、妊娠出産を繰り返していたそうです。誰にも触らせないので、ずっと捕獲もできませんでした。 「ここまできたらお母さんも早く楽にさせてあげたいと思い、毎晩捕獲器を持って行きました。捕獲器の中でごはんを食べるまで慣れさせて、先日やっと捕獲でき避妊手術できました。リターン予定でしたが、結構な高齢だったこと、腎臓の値が高かったこと、腹水があったことから、終生飼育施設に受け入れていただくことになりました。これからは雨や風、暑さや寒さ、怖い人なんにも気にせず好きなように美味しいご飯を食べてゆっくり過ごしてほしいと思います。」 Aさんから子猫たちを託されたれんげさんは、個人でTNR(Trap-Neuter-Return)活動をしており、日々の忙しさの中でも猫たちを守るための活動を続けていました。このような状況の中、れんげさんは2匹の子猫を受け入れることを決断しました。生後約4ヶ月の兄妹です。 名前は、れんげさんの子どもが直感で決めたとのこと。オスの子は「タロ」、メスの子は「メロ」と名付けられました。「生後4ヶ月まで外で生活していたため、警戒心がとても強く、特にタロはいつもメロの前に出て、メロを守っているような様子でした。」とれんげさんは語ります。 2024年9月、れんげさんが2匹を預かってからちょうど1ヶ月が経ちました。子猫たちは生後5ヶ月を迎え、れんげさんは不妊手術を施しました。2匹がずっと一緒にいるためには、手術をする必要がありました。 手術前は警戒心が非常に強かった2匹ですが、れんげさんとその家族と一緒に生活する中で、人間に対する不信感も徐々に薄れていきました。手術の日には、キャリーに入れられても、車の中でも大人しく、まるでぬいぐるみのように従順だったと言います。 現在、タロとメロは新しい家族を待っています。2匹はいつも一緒にいる兄妹で、その絆はとても強いものです。れんげさんは、2匹を一緒に迎えてくれる里親を探しています。愛情を受け、警戒心を少しずつ解いていったタロとメロ。これからも彼らの未来に、たくさんの笑顔が訪れますように。 (まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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