「ここまで悪くても来てくれる人がいる」 松山英樹は連日の「71」で65位後退もギャラリーの“思い”を背に週末の巻き返しへ
「(3日目は)いいスコアで回れるように」
◆米国男子プロゴルフ ZOZOチャンピオンシップ 10月24~27日 アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉県) 7079ヤード・パー70 【動画】思わずほっこり… 会場にいた小さな女の子からスコアカードを受け取る松山英樹&初日のスタートで魅せた“圧巻”ティーショット これが実際の映像です
大観衆の応援に背中を押され、松山英樹が前向きな言葉を絞り出した。 1オーバーの53位タイから臨んだ「ZOZOチャンピオンシップ」2日目。“マスターズ王者”“パリ五輪銅メダリスト”と、間違いなく大会の目玉選手の一人である松山の組は、この日もたくさんのギャラリーが取り囲んだ。
「松山!」「松山さーん!」「頑張って!」「応援してます」 そんな声に包まれながらスタート。スコアが悪くても注目を集めるのはスーパースターの宿命だ。そんな中、2番で幸先よく1メートルのバーディーを決めて、通算イーブンパーにスコアを戻す。 しかし、「5アンダー、6アンダーまでいくのかと思ったけど、なかなかうまくいかなかった」という言葉の通り、6番でボギー。8番では4オン2パットのダブルボギーとフラストレーションの溜まるプレーが続く。 通算3オーバーでの折り返し。だが、松山はここから踏ん張った。 10番で3.5メートル、14番で1.2メートルのバーディーを重ねて、1オーバーまでスコアを戻す。「よくなる気配があった」という後半は16番でボギーがあったが、調子がやや上向きになったことを感じさせるものだった。 通算2オーバーの65位タイ。首位とは14打もの差が開いたが、ホールアウト後の松山の言葉は、前日よりはるかに前向きだった。 「パッティングは昨日(初日)よりマシでした。ここまで悪くても来てくれる人がいるんで、できるだけバーディーを取っていきたいと思って」と、ギャラリーに向けての言葉を口にした。 「いいプレーを見せられなくて…」と話すのがやっとだった初日とは違い、ふがいない自分に憤りつつも、出場機会が少ない日本の試合でファンに何とかいいところを見せたいという気持ちを出し始めた松山。 残りは36ホール。「明日(3日目)はいいスコアで回れるようにしたい」という言葉が、週末は形になることを期待したい。
松山 英樹(まつやま・ひでき)
1992年2月25日生まれ、愛媛県出身。2013年にプロ転向し、同年は4勝を挙げてツアー初のルーキー賞金王に。14年から米ツアーを主戦場に戦い、21年の「マスターズ」で日本人男子初の4大メジャー制覇を達成。同年は日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」を制した。24年「パリ五輪」では日本男子ゴルフ初となる銅メダルを獲得。同年8月の「フェデックス・セントジュード選手権」を制し、自身が持つアジア勢単独最多記録を更新するPGAツアー10勝目を挙げた。日本ツアー8勝。レクサス所属。
小川淳子(ゴルフジャーナリスト)