美容外科医の解剖研修投稿 統括院長が処分否定「動機は善で、他意はありません」
グアムでの解剖研修に際し、解剖の様子を撮影した写真などをSNSに公開し波紋を広げていた東京美容外科の医師・黒田あいみ氏をめぐり、黒田氏が所属する東京美容外科の統括院長・麻生泰氏が2024年12月24日、解雇などの処分を否定した。 【画像】麻生泰氏の説明全文を読む ■「動機は善で、彼女に他意はありません」 東京美容外科・沖縄院院長を務める医師の黒田氏は、2日に公開したブログで「今回は fresh cadaver (新鮮なご遺体の解剖)で勉強をしにきていて」とし、複数の写真を公開した。 添付されていたのは解剖が行われている様子を背景に、複数の医師らで並んだ記念撮影写真や、解剖中の献体の頭部の画像など。絵文字付きのコメントを添え、同様の写真をインスタグラムにも投稿していた。 実際の人間の遺体を使って行われる解剖実習の様子をSNSに次々とアップした黒田氏に、倫理観を問う声が相次いだ。 批判が過熱する中、麻生氏は「黒田医師への処遇について」として自身のXに思いをつづった。 「様々な方々から、大学の先生を含め、黒田医師を解雇するように助言がございました」と厳しい対応を求める声が相次いだことを認めるも、一連の投稿について「黒田先生は、学生時代のホルマリン固定標本とは異なる、精度の高いfresh cadaverを初めて目にした感動をなんとか伝えようと、あのような投稿になってしまいました」と釈明した。 「ピースサインをして撮っていた事は当然不適切」「一般の方々とはかけ離れた行動で、日本では、常軌を逸しているとお思いの方が大多数であることは良くわかります」としつつ、「ですが、動機は善で、彼女に他意はありません」と主張した。
「今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか?」
その上で、「一般の方々からのご批判は、当然受け止め、反省は致しますが、同業医師でありながら不勉強でfresh cadaverという言葉すら知らない医師に批判されたまま、炎上でトカゲの尻尾切りのように解雇する事はできないと判断しました」と処分を否定した。 麻生氏は、「もし自分が手術を受けるなら、医師になってからも更に研鑽を詰み、解剖を熟知した医師に施術して貰いたいと考えます」ともしている。 「今回の事で、国内の施設で我々が、解剖する事は今後絶望的となってしまいましたし、他の美容医療に携わる方にも大変迷惑をかけてしまいました」と騒動になっていることを認めた上で、解剖実習についてこう訴えた。 「ですが、死者への尊厳ももちろん大切ですが、今生きている人の命や安全も大切なんじゃないでしょうか? それが解剖セミナーの趣旨ですし、どんな言い訳や神妙な態度をとったところでご遺体を損壊する事実に変わりありません」