一部の銀行は10月から「金利引き上げ」になったと聞きました。これから「住宅ローン」を組むなら「変動金利」と「固定金利」のどちらがおすすめですか?
マイホームを購入する際、「住宅ローン」を利用する方は多いのではないでしょうか。特に近年は超低金利が続いており、変動金利型の住宅ローンを組む方もいるようです。一方、日銀の追加利上げに伴い、大手銀行5行は2024年10月1日、住宅ローンの基準金利を17年ぶりに引き上げました。 経済の先行きが不透明ななか、「固定金利と変動金利のどちらを選ぶべきか分からない」と感じている方もいるかもしれません。そこで当記事では、2024年10月に行われた「金利引き上げ」の概要をご紹介するとともに、「返済額」が見直しになるタイミングや「金利タイプ」の選び方を解説します。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
大手銀行5行は2024年10月1日、住宅ローンの基準金利を「0.15%」引き上げ
大手銀行5行は2024年10月1日、日銀の追加利上げに伴い変動金利型住宅ローンの基準金利を「0.15パーセント」引き上げました。今回の「金利引き上げ」は、銀行が企業に対し短期で貸し出す際の基準金利である「短期プライムレート」の引き上げに連動したかたちで行われたものです。この短期プライムレートは、日銀が設定する「政策金利」の影響を大きく受けます。
新規契約の「優遇金利」は銀行によって対応が分かれる
既存契約の「基準金利」が一律「0.15パーセント」引き上げられた一方、新規契約に適用される「優遇金利」は銀行によって対応が分かれています。そもそも住宅ローンの金利には「基準金利」と「優遇金利」があり、基準金利は「金利の定価」にあたるものです。一方、優遇金利は基準金利から引き下げられる「金利の幅」を指し、基準金利から優遇金利を差し引いた金利が「適用金利」となります。 新規契約の優遇金利については、基準金利と同様に「0.15パーセント」の「引き上げ」とした銀行もある一方、2024年10月以降も「据え置き」という判断を取った銀行もあります。
金利引き上げに伴い「返済額」はいつから変わる?
前述の通り、既存契約の基準金利は2024年10月1日から一律「0.15パーセント」引き上げられました。金利引き上げに伴い、毎月の返済額はいつから変わるのでしょうか。毎月の返済額が一定となる「元利均等返済」で借り入れている場合、変動金利の返済額は「5年ルール」と「125パーセントルール」に基づき、見直されることになります。 5年ルールとは、適用金利の見直しがあっても、5年間は毎月の返済額が固定というルールです。125パーセントルールは、適用金利の見直しにより5年後に返済額が増えた場合、新しい返済額は前回の返済額の125パーセントが上限となるというルールを指します。 5年間は返済額が変わらず、上昇幅も25パーセントが上限ということで「金利が上がっても安心」と思う方もいるかもしれません。しかし、金利が上昇している場合は、元金の割合が減り利息の割合が増えるため、返済のスピードが遅くなる点には注意が必要です。 なお、毎月の返済額のうち、元金の額が一定となる「元金均等返済」で借り入れた場合は、「5年ルール」と「125パーセントルール」は適用されないため注意が必要です。