ロッテ・小島和哉、日々進化する理由に「去年通用したから同じことをやればという世界ではないと思うので…」
ロッテの小島和哉は変化を恐れず、日々進化している。 近年でいえば右打者に投げることの多かったチェンジアップを22年途中から左打者にも投げ始め、昨季は序盤に右打者のアウトコースにシュートを投げて打ち取っていたが打たれている球にシュートが多いと感じたらシーズン途中でも投げなくなった。昨季後半にはペルドモ(現オリックス)、種市篤暉らから教わり縦に落ちるスライダーを投げ始め、今季は自己流にアレンジするなど、良かったときの考え方に固執するのではなく、柔軟に対応し、その時にあったものをチョイスし“変化”することができるのが強み。 「何ていうんですかね、去年通用したから同じことをやればという世界ではないと思うので、チームの色も違う。例えば去年相性が良かったから今年も相性が良いのかと言われたら、違いますし。去年オリックス戦はあんまりでしたけど、今年成績を出せているのも、これはわからないですけど、僕の中でしっかり分析して去年はこれで良くなかったからこう変えたらいいんじゃないか、という部分と続ける部分といろいろ考えてやっているのは成果になっているのかなと思います」。 ここ最近の登板を見ると、近年投球を支えてきたカットボール、チェンジアップだけでなく、スライダーの割合がかなり増えている。「そうですね。スライダーはカーブっぽく投げるスライダーもあれば、135キロくらいのスライダーもあるので、曲がり幅も落ち幅も大きいのでいいアクセントになっているかなと思います」。 「もともとカーブが得意じゃないので、チェンジアップも含めてうまく緩急を使って打ち取るのが僕のタイプなのかなと思います」。 投球の基本としての幹がありながら、日々試行錯誤し、そこから枝葉を増やして打ち取っていく。1ヶ月前、2ヶ月前より“進化”し、シーズンが深くなっていくにつれて、その投球に安定感が出てくる。近年の小島がまさにそうだ。 ◆ 「投げる試合はチームが勝てれば」 リーグ優勝を目指して戦っているが、残り試合数も50試合を切り、より一層1勝、1敗の重みが大きくなる。 「投げる試合はチームが勝てればいいと思うので、そのためにも気をつけるところ、試合のポイント、先制点を与えないところ、点をとった後の次の回に点を取られないとか、結局それって結果論になっちゃうんですけど、悪かった時にそれができなかったからだよねってなっちゃうんですけど、そういう流れはあるので自分から手放さないように。西武戦はやってはいけないような先頭を死球で出しちゃいましたし、点を取ってもらった後に点を取られたので、その辺はもう1回気を引き締めてやれたらいいなと思います」。 小島はここまでリーグトップの5完投を誇る。厳しい戦いが続く中で、リリーフ陣の負担を減らすためにも1イニングでも長く投げてほしいところ。「2個は5回と7回なので、最後まで投げられたのは3試合。完投できれば中継ぎも投げなくて済みますし、休められる。そこを目指していますけど、しっかり試合を作ることを考えていきたいと思います」。 小島は火曜日、水曜日に投げる先発投手は長いイニングを投げるのが仕事という考えを持つ。首位・ソフトバンクの強力打線を相手ではあるが、1イニングでも長く投げ、チームに勢いをもたらす投球に期待したい。 取材・文=岩下雄太
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