大学入試の女子枠は「男性への逆差別」か? 実施の40大学が語る「反応」と「課題」
まずは実数を増やすことが大事
調査結果発表の場には、24年度入試から理工学部で女子枠を導入した大分大学の信岡かおる・理工学部准教授が同席し、次のように話しました。大分大学では、女子枠を導入する前から、理系の女子学生を増やすために中高生向けのイベントを開催し、女性教員や女子学生が理系の学びの魅力をPRするなど、さまざまな取り組みを実施しています。 「女子学生が進路相談をする相手として母親が多いというデータがあります。そのため本学では学生本人だけではなく、その母親も対象にして意識改革を促していくように努めています。また保護者世代には、理系というと即、医療系をイメージする人も多いのですが、こうした先入観を払拭するためにも、イベントは医療系とは別に理工系独自でやる必要があります」 同じく会見に同席した、工学部出身で技術者として豊富な経験を持つ旭化成の前田裕子・社外取締役は、産業界の立場から「女子枠についての議論はありますが、実数を増やさないことには理系分野で女性が活躍するメリットも語りにくい。まずは数を増やすためにも女子枠はありなのではないか」と期待を寄せました。 25年度入試でも、女子枠は広がります。新たに導入を予定しているのは以下の大学ですが、さらに増加することが予想されます。 受験生にとって、今後の動向は見逃せません。
朝日新聞Thinkキャンパス