NHK大河『光る君へ』源氏物語ゆかりの地「京都・宇治」を一望できる「穴場の山」ハイキング
■大吉山展望台を目指す
さて、宇治上神社をあとにして、大吉山(だいきちやま)の登山口へと向かう。神社を出て山沿いの道を道なりに歩くと、右手に階段と石碑が見えてくる。源氏物語宇治十帖の三帖「総角(あげまき)」ゆかりの地である。ここから、大吉山(仏徳山とも呼ばれる)の標高88mにある展望台を目指す。 階段を上ってみると、広くながらかな坂道が続く。観光客や地元民だと思われる人もちらほら。 途中ですれ違ったご年配の方と話したところ、毎朝のようにボランティアの方々が山を清掃しているそうだ。なるほど、どうりで道が綺麗なわけである。しっかりと整備されている山なので、初心者でも安心して登れるだろう。 その人も毎日のようにこの山を登っているらしく、登山が近所のみなさんの健康の秘訣だそうだ。 心地のよい木漏れ日の中、ゆったりとした気持ちでなだらかな坂道を登っていく。約15分もすれば大吉山の展望台に到着だ。 展望台から宇治の街を一望しながら、ほっと一息。先ほど訪れた宇治橋や宇治上神社、有名な平等院などの名所を見つけながら眺めるのも楽しい。
■大吉山を経て、朝日山山頂へ
観光客の多くは、大吉山展望台までで引き返す人が多いのだが、実はこの近くには知る人ぞ知る穴場がある。大吉山から続いている「朝日山」だ。 展望台から約15分と近くにあるのだが、なんといっても場所が分かりにくい。時折見かける「朝日山観音」という案内を見落とさないのがポイントである。 案内に沿って進んでいくと、当初のなだらかな道と違って細く急な登山道が現れる。この坂道を登ると朝日山観音像が祀られている朝日山山頂(標高124m)に到着だ。 大吉山では観光客の姿もあったが、こちらは人もおらず、まさに隠れた名所と言えるだろう。さほど広くないにもかかわらず、観音像が祀られているお堂や莵道稚郎子のお墓、五重塔など見所満載である。 大吉山と同じく、こちらからも宇治の景色を一望できる。ただ、大吉山の展望台のように休憩所や座る場所はなく、崖の上のような場所なので十分に注意が必要だ。 この日は天気も良く、遠くの山々まで見渡すことができた。 下山後は、行きがけに「食べたいな……」と横目で見ていた宇治抹茶ソフト(400円)を購入。ハイキングで疲れた身体に冷たいソフトクリーム、これがとても美味しいのである。 もし余裕があれば、平等院や源氏物語ミュージアムなどにも足を延ばし、宇治の歴史をたっぷりと堪能するのもおすすめである。ぜひ京都の宇治の穴場スポットで自然と歴史に触れるハイキングを楽しんでみてほしい。 ※営業日時はホームページよりご確認ください ※この記事の情報は2024年4月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。 山本 佐和(やまもと さわ) 京都出身。インテリアショップのスタッフや制作部を経験し、現在はフリーライター・フォトグラファーとして活動中。 外で食べるごはんとお酒が大好き。 登山やキャンプはもちろん、ヨーロッパをバックパックで1人旅するなど、マイペースにアウトドアライフを楽しんでいます。
山本 佐和