親からの親身なアドバイスが「子どもの諦めやすさ」を高めてしまう危険性
新しいことにチャレンジさせようと思っても、「自分にはできない!」とすぐに諦めてしまう...。そんな子にも何とか取り組んでもらおうと、手を尽くしている親御さんは多いでしょう。しかし良かれと思ってした手助けでも、逆効果になっている可能性があります。現役小学校教諭であり、継続アカデミー塾長としても活躍するぞう先生が語ります。 【マンガ】「集中力が高い子ほど、乳幼児期に体験している「フロー状態」とは? ※本稿は、ぞう先生著 『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(総合法令出版)から一部抜粋・編集したものです。
すぐあきらめる子ども
体育の授業で「後転」をしていました。マットの上でしゃがんで後ろ向きにくるっと回る技です。手本を見せてから、練習開始です。みんな見よう見まねで練習をしています。 そんな中、よく見てみると練習を一回やっただけでもうあきらめてしまい、見ているだけの子がいます。当たり前ですがこれではなかなか上達しません。 すぐにあきらめてしまう理由は一つではありませんが、これだけは早く直しておきたいというものがあります。 それは、失敗したくないという理由です。お手本のようにできない自分がはずかしい。かっこ悪い。失敗したら笑われそう。だから失敗したくない。そういった気持ちが行動にブレーキをかけてしまうのです。では、どうすればそのような考えが払拭できるのでしょうか? まず、失敗してもいい雰囲気作りから始めます。具体的には、このようにします。 ●失敗しても責めない ●失敗を笑わない ●失敗してもすぐアドバイスしない 詳しく見ていきましょう。
失敗しても責めない
子どもはよく失敗をします。一回や二回ならまだ許せるのですが、何度も同じ失敗をすることがあります。そんなときに親が言ってはいけないNGワードがあります。それはこちらです。 「どうしてうまくいかないの?」 親としてはできない理由を聞くことで、改善点に気づいてほしいという気持ちなのだと思います。しかし、この聞き方には注意が必要です。なぜなら、子どもからしたら責められているような気になることがあるからです。 仮に、言葉の通り受け取ったとしてもできない理由を言葉にすることで、自分を否定的に見てしまう可能性もあり、そのためにやる気をなくしてしまうこともあります。 叱られたり、失望されたりするのではないかという不安がある場合、子どもは本音を話しにくくなります。 失敗を子どもの成長の機会と捉え、一緒に課題を解決していくために最適な質問があります。 「どの部分が難しかった?」 「どうすればできるようになると思う?」 このように聞くことで、建設的な意見をお互いに言えるようになります。また、自分の頭で考える力がつきます。これをくり返していくと、子どもは失敗を少しずつ受け入れられるようになります。