石破首相、1月訪韓で調整…尹大統領来日も呼びかけ
石破首相は、来年1月に韓国を訪問し、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と会談する方向で調整に入った。尹氏に早期来日を呼びかけ、日韓首脳の相互往来「シャトル外交」を活性化させ、関係改善の流れを強固にしたい考えだ。来年の国交正常化60周年に合わせ、民間交流を含む幅広い分野の協力強化を打ち出すことを目指す。 【動画】空中ルポ「佐渡島の金山に迫る」
複数の政府関係者が27日、明らかにした。日程は、通常国会が召集される前の1月上旬が有力だ。国際会議に合わせた外遊を除き、2国間外交を目的とした最初の訪問国となる見通しで、首相の韓国重視の姿勢を示すことになる。
首脳会談では、ロシアと北朝鮮の軍事連携や中国軍の活動活発化を踏まえ、日韓の防衛協力の拡充策が議題となる予定だ。来年1月20日に米国のトランプ政権が発足することを見据え、日米韓の結束も確認するとみられる。
韓国国内では、対日外交を重視する尹氏が歴史問題で日本に譲歩しているとの不満がくすぶっている。両首脳は、関係改善の成果を両国国民が実感できるよう、60周年に合わせた人的・文化交流の推進策についても意見を交わす方向だ。
首相は27日、来日中の朱豪英(チュホヨン)・韓日議員連盟会長と首相官邸で面会し、関係強化への意欲を伝えた。朱氏によると、首相は、世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)の追悼式典を韓国側が欠席した問題に触れ、「考え方の違いはあるが、日韓関係は未来に向かって発展していかなければいけない」と訴えた。