私が海外に進学する理由── 超難関大に挑戦した18歳、自分の「やりたい」はどう生まれた?
アイデアを行動に移せなかった自分が、やりたいことに前向きに
その後、山口さんは、サステナビリティのリーダーが集うコミュニティー・イベント『サステナブル・ブランド国際会議2023』の、次世代育成プログラムに関するセッションで登壇する機会を手にします。そこではサステナビリティと「好き」を掛け合わせるワークショップ活動について発表しました。 さらに、2024年2月には、着物がリメイクしやすい作りになっていること、日本文化と深くつながっていることを生かし、着物のリメイクブランド「u縁me」を立ち上げます。まだ高校在学中の3年生の時です。 「私はそれまで、いろいろアイデアが浮かんでも、なかなか行動に移せませんでした。できるようになったのは、『やってみたらいいんじゃない?』と背中を押してくれる先生がいたことが大きかった。 学校の先生たちは、一人の人間として生徒に接してくれます。表面的なことだけでなく、生徒の感情や考えまで深く一緒に考えてくれるんです。そして、いろんな人に出会う機会、発表する機会をつくってくれました。アドバイスにも恵まれて、だんだん自分のやりたいことを実現できるようになっていきました」
もう一度、外側から日本を見てみたい
実は、ミネルバ大学についても、自分で調べてたどり着いた大学ではなかったと言います。 「ミネルバ大学の卒業生が高校に来てくださる機会があったのですが、私は参加できなくて。興味を持って参加した友達が、私にミネルバ大学のことを教えてくれました。そこで興味を持って調べたら、自分がやりたいことやこれまでの活動とも深くつながっていたんです」 高校のプロジェクトの授業で山口さんが取り組んでいたテーマは、「日本文化とサステナビリティの魅力を若い人たちにどう伝えるか」。日本文化に興味を持ったのも、一度海外に出て外からの視点を持つことができたからであり、いつかもう一度海外で生活をしたいという思いがありました。 「ミネルバ大学には世界100か国から学生が集まります。それに、複数の国の寮で生活しますから、私自身もいろんな国の文化を吸収して、日本文化が持つ特徴や魅力を再発見するチャンスがたくさんあるはずだと思ったんです」 周りの大人が出会いや機会をたくさん準備すること、偶然の機会をしっかりとつかみ、最後は自分で道を切り開き、進路を選ぶこと。その機会を多く与えられた環境が今の山口さんを形作ってきたともいえそうです。