私が海外に進学する理由── 超難関大に挑戦した18歳、自分の「やりたい」はどう生まれた?
学びの中で抱いた疑問──「サステナビリティは我慢するもの?」
アメリカで身に付けた英語を生かし、中学2年生から、帰国子女枠で編入できるかえつ有明中学校を選びました。一番勉強したのは中学3年生だったと振り返ります。 「アメリカにいる間に、英語力や対話する力が身に付いた手応えがあったので、どうせならそれを生かしたいと思ったんです。高校ではプロジェクト科が週に4時間もある『新クラス』に入りたかったので、そこで初めて、成績を上げるために本気で勉強しました。 でも、がんばったというより、『いかに楽しみながら目標達成できるか』を楽しんでいたのかもしれません。音読すると声が記憶に残るので、歴史も音読しながらハイライトを入れて覚えました。アメリカではみんなノートをとるよりディスカッションを重視するんです。そのやり方が合っていたのかも」 かえつ有明高等学校のプロジェクト科では、自身の内面(感情やニーズ)に気付くためのワークや対話に大半の時間を割きます。自身が大切にしている思いからスタートしたプロジェクトを仲間とともに進めていくため、探究的な学びも「やらされている」のではなく、内発的、主体的な取り組みになっていくようです。 今の進路につながる大きなきっかけは、無事に新クラスに進んだ高校2年生の時に受けた環境活動家の谷口たかひさ氏の「環境授業」でした。 「その授業をきっかけに、なぜサステナビリティは一般的に『我慢しないといけないもの』という印象が強いのか? という疑問を抱き始めました。我慢しなければSDGsは達成されないのだとしたら、本当の持続可能性ではありません」 この時以来、『サステナビリティは我慢して取り組むのではなく、人間の幸福感と両立されるべき』という考えをもち、この分野の活動に取り組むようになった山口さん。習いごとも勉強も、ひたすら我慢して努力するのではなく、楽しむ方法を考えて実行してきたからこそ、その言葉からヒントを得ることができたのかもしれません。