【横浜好き】ベイスターズ、26年ぶりの日本一達成。『史上最大の下剋上シリーズ』を振り返る
◆外国人投手2人が『来季へアピール』の快投 東の離脱で苦しくなった先発陣を外国人2人が救った。
初戦の先発を任されたジャクソンは5回途中2失点で負け投手となったが、第5戦に来日初となる中4日で先発マウンドに上がると、初回から三者連続三振を奪うなど7回を投げて被安打3、8奪三振、無失点の快投。2試合11回2/3で17奪三振と持ち味を生かした投球で優秀選手賞に選ばれた。
第4戦に先発したケイも、3回まで6奪三振のパーフェクト投球から7回被安打4、無失点で球団史上初の、日本シリーズでの外国人勝利投手となった。ケイはレギュラーシーズンでは6勝9敗と、来季の再契約には微妙な成績だったが、クライマックスシリーズ ファイナル初戦に続く好投で残留をアピールした。
◆主砲の『効果的な一発』 『新マシンガン打線』とも呼ばれるベイスターズだが、短期決戦の日本シリーズで試合の流れを決めたのはホームランだった。
第4戦では4番のオースティンが先制点となるソロ本塁打、第5戦は1点リードから牧秀悟が勝利を決定付ける3ラン本塁打、日本一を決めた第6戦は筒香嘉智の先制本塁打が大量得点の起点となった。
筒香は第5戦でも先制タイムリーを放ち、第6戦も初回に無死1・2塁のチャンスを逃した後の2回に先制弾、さらに5回にはダメ押し点となる満塁走者一掃のタイムリー二塁打。大舞台で完全復活を果たした『ハマの大砲』が優秀選手賞に輝いた。
◆緊急事態で頼れる好女房と鉄壁のリリーフ陣 クライマックスシリーズでも存在感を発揮した戸柱恭孝が、全6戦でスタメンマスクを被り、好リードで投手陣を牽引した。
レギュラーシーズン終盤戦に山本祐大、クライマックスシリーズでは伊藤光と、両捕手が離脱と危機的状況の中、7年前のシリーズでもマスクを被ったベテランがリベンジの日本一に貢献した。
その戸柱に導かれた投手陣は、第3戦の2回以降、日本シリーズ新記録となる29イニング連続無失点を記録。特に伊勢大夢と坂本裕哉が4試合、中川颯が3試合、佐々木千隼と森原康平が2試合で防御率0.00と、鉄壁のリリーフ陣が史上最大の下剋上の原動力となった。
文:大久保泰伸
大久保泰伸