学力入試「2月1日から」順守を、文科省が通知
東京都内の複数の私大が年内に学力検査を伴う入試を実施したことを受け、文部科学省は、「2月1日以降」としている大学入試の実施要項を守るよう全国の大学に通知した。 ただ、学力入試の年内実施は、関西の私大などでは以前から定着しており、問題視する文科省の姿勢に戸惑いの声もある。 大学入試に関しては、高校や大学の団体が参加する協議会で合意し、文科省が通知する「実施要項」がある。この中で、個別学力検査は「2月1日から3月25日まで」と明記している。 一方、今年11~12月に、都内の東洋大や大東文化大が主に学力検査で合否を判断する入試を実施。両大学に、文科省が「ルール違反」と指導する事態となっていた。 文科省は24日付の通知で、大学入試は適切な高校教育を阻害しない配慮が必要とし、試験期日の順守を求めた。 また、「生徒の安易な進路選択につながるなど、高校教育に大きな影響を及ぼす」といった高校関係団体の見解も掲載した。 同省は、来春にも協議会を開き、試験日程などについて検討する方針。 担当者は「高校での学びに大きな影響が出る問題だと考えている。ルールに疑問があるなら徹底した議論をする必要があるが、まずは協議会で合意したルールを守るべきだ」と話す。(島崎周)
朝日新聞社