小正月の縁起物「稲穂せんべい飾り」作り最盛期 製造は1軒のみ、伝統継承へSNS発信も 福島・南相馬市
テレビユー福島
色鮮やかな相馬双葉地方の小正月の飾りもの「稲穂せんべい飾り」。年の瀬が迫り、福島県南相馬市の工房では、この縁起物づくりで忙しい時期を迎えています。 【写真を見る】小正月の縁起物「稲穂せんべい飾り」作り最盛期 製造は1軒のみ、伝統継承へSNS発信も 福島・南相馬市 鈴木夕里菜アナウンサー「小正月の縁起物、せんべい飾りです。こちらの工房では、今まさに制作の最盛期を迎えています」 この「稲穂せんべい飾り」は、1月15日の小正月ごろに豊作や家内安全などを願って飾られます。「大黒せんべい」とも呼ばれ、地域で親しまれています。 4代目・井上哲弥さん(38)「炭の焼ける独特の匂いとせんべいが焼き上がる匂いで、冬が来たなと感じる」 南相馬市で100年あまり続く「井上の大黒せんべい」では、毎年11月から翌年の1月中旬まで、昔ながらの手作りを続けています。日の出前から、仕込んだ餅をタイの形に焼いているのは、3代目の井上幸一さん。 3代目・井上幸一さん(73)「これは縁起物だから焦がしたりできない。炭の火力の加減、これも経験して覚えないとだめ」 そしてこだわりは、力強く丁寧に描かれる絵付けです。 4代目・哲弥さん「絵付けをしているというのが一番の特徴で、非常に温かみのある作品に仕上がっています」 相双地区では、小正月には欠かせないせんべい飾り。しかし、現在製造しているのは、井上さんたちの工房1軒だけです。 4代目・哲弥さん「若い世代にもこの団子刺しの文化を継承していければ」 4代目の哲弥さんは、せんべい飾りを若い世代に知ってもらおうと、SNSの発信にも力を入れています。 4代目・哲弥さん「このタイが色鮮やかでかわいいという反響をいただく」 3代目・幸一さん「地域に愛された団子さしだから、地域がこれからもいっぱい明るい世の中になるよう続けていきたい」 地域に根ざす伝統が、次の世代に受け継がれていきます。
テレビユー福島