「前任者に謝辞」「置手紙」 厳戒態勢以外にも“異例”が 米大統領就任式
米国・首都ワシントンで20日、ジョー・バイデン氏の大統領就任式が開かれる。しかし、祝賀ムードはないという。現地メディアによると、トランプ大統領支持者らが6日に連邦議会に乱入し、暴徒と化したことを受け、大勢の兵士らが警備に当たっている。「異例」とも表現される就任式だが、「厳戒態勢」以外にも何点か「異例」があるようだ。
現職大統領が欠席
これまでは慣例として、現職大統領が就任式に出席してきた。しかし、今回、トランプ大統領は式に臨まないことを表明している。 アメリカ研究が専門の慶應義塾大学SFC教授、渡辺靖氏によると、現職大統領が就任式を欠席するのは152年ぶり。 渡辺氏は、「政策的に違いがあっても、国家のために働いてくれたということ、それから政権移行がスムーズに進むよう協力してくれたことに対して謝辞を述べるというのが言ってみれば暗黙のルールになってきた」と言う。
“置手紙”と“見送り”
現職大統領から、次期大統領に向けた“置手紙”も1つの慣例になってきたという。 渡辺氏は「正確な年数は分からない」としつつも、現職大統領が次の大統領に向けたメッセージをホワイトハウスの執務室の机の上に置いていくのだと説明する。 「深い内容が書いてある訳ではないが、それが1つの慣例になっている。新旧大統領がそこで握手して、最後に、前の大統領が議事堂の裏からヘリコプターで離任するのを新大統領が見送るというのが1つの不文律だった」と語る。 今回の大統領の交代では、そのような場面もないのかもしれない。