「こんな話が来るなんて」青天の霹靂だった巨人のオファー チェコ人新助っ人フルプが母国紙で交渉の内幕を告白「突然、スカウトから電話が来た」
歴史的な契約が交わされた。9月25日に巨人はチェコ代表のマレク・フルプと育成契約で合意したことを発表。背番号は「037」だが、同国史上初のNPB所属選手が誕生した。 【動画】佐々木朗希からの快打! 「チェコのジャッジ」フルプの打撃シーン 193センチ、100キロの恵まれた体躯とアグレッシブなプレースタイルで、「チェコのジャッジ」とも称される25歳は、伸びしろ十分の強打者だ。23年のワールド・ベースボール・クラシックでは、日本戦(東京ドーム)では、佐々木朗希から痛烈な二塁打を放つなど、ポテンシャルの高さを示していた。 今季のフルプは米独立リーグのレイク・カントリー・ドックハウンズでプレー。80試合で打率.252、7本塁打、43打点、23盗塁とマルチな才能も見せている。育成契約からのスタートと支配下登録までの競争は激しいが、本人はやる気に満ち溢れている。 契約発表後にチェコの日刊紙『Ceske Noviny』などの取材に応じたフルプは、「オファーはどこからともなく突然来たんだ。僕には数週間の猶予が与えられたけど、こんな機会は二度とないかもしれないから引き受けた」と電撃契約の内幕を明かしている。 「こんな話が来るとは思わなかった。ワールド・ベースボール・クラシックからほぼ2シーズンが経っていたし、アメリカでの自分のキャリアには浮き沈みもあったからね。そうした中で本当に突然ジャイアンツのスカウトから電話がかかってきたんだ。ジャイアンツは日本で最も大きな組織のひとつだ。僕はチームの一番下のレベルから始めるつもりだ。ただ、目標は、日本のトップリーグであるNPBでプレーできるよう、契約することにある」 まさに青天の霹靂だった。だからこそ「自分にとって新たな刺激だった」と語るフルプは厳しい競争を覚悟し、こう続けている。 「ジャイアンツのスカウトや編成部長からは、僕を若手の一人として育てたいという情報を貰っている。彼らは僕に日本の野球を教えたがっているみたいなんだ。より長期的に、僕を必要としているんだとも思う。 ただ、日本では外国人選手には限界があり、自分もいずれは数少ない一人になる。プロスポーツの仕組みとして、チームは誰かがうまくプレーできなければ、すぐに代わりの選手を見つける。だから、僕は少なからずチャンスを得るだろうけど、同時に生産的でなければならない。僕には今以上に日本の野球や文化を学ぶ必要がある」 日本プロ野球界にやってきた初のチェコ人選手は、果たしてどれだけの成長を見せるのか。来月7日から宮崎で行われるフェニックス・リーグに参加予定となっているフルプのパフォーマンスには国際的な注目が集まりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]