「33店舗が閉店」「遂に100店舗を割る…」 それでもイトーヨーカドーが「第2のライフ」には多分なれない理由
■「ライフ」化を目指すイトーヨーカドー 8月末、GMS大手のイトーヨーカドーが、閉鎖するとしていた33店舗が判明した。これによって店舗数は93店舗になり、100店舗を切ることになる。閉店する店舗については、SNSなどでも話題で、「悲しい」「どうして」といった声が漏れ聞こえてくる。 【画像17枚】「人の姿はまばらで…」 46年の歴史に幕をおろす、とあるイトーヨーカドーの悲しすぎる”現在の姿” ヨーカドーは近年の業績不調に伴い、抜本的な構造改革を示している。撤退を表明したはずの衣料品で、アパレル大手・アダストリアを交えた再挑戦が進んでいるなど、すでにそれなりの揺らぎが出てきているので表現が難しいが、現状の方向では、①祖業である「衣料品」の縮小と「食」への注力、②首都圏への店舗の絞り込み、の2点が主要なポイントだ。
今回の33店舗閉鎖は、こうした取り組みの一つだが、この構造改革案は、同じくスーパーマーケットとして知られる「ライフ」の方向と似ている。端的に言って「ライフ化」なのだ。 ライフは首都圏を中心とした都市部周辺に出店を絞り、ショッピングモール等に影響を受けにくい「食」に注力している。店舗によっては、サテライトキッチンを用意しているところもあり、出来立てのお弁当を買うこともできる。 また、農家に実際に出向いて新鮮な野菜を揃える取り組みも行っている。スーパーマーケットが陥りがちな「安売り競争」に乗らず、商品にこだわることで、業界の中でも独特のポジションを獲得している。
【画像17枚】「33店舗が閉店」「遂に100店舗を割る」イトーヨーカドー、閑散とした店内の悲しすぎる光景 では、ヨーカドーの「ライフ化」は成功するだろうか。端的に言って、とても厳しいのではないかと筆者は考える。 ライフが優れているのは、単に「都心と食に特化」しているからではない。その底流には、「消費者のほうを向く」姿勢がある。ライフがこのように食に特化するようになったのは、あくまで「結果論」だからだ。