日本一貧乏な観光列車、駅舎になる
駅工事を請け負った株式会社ダイワメタルの担当・野上権太さんは「ながまれ号のイメージを損なわないように、駅舎をデザインする点には苦心したが、近代的な駅になってよかった」と満足顔。金属加工を得意とする同社では、2年前にレーザー加工の機械を導入した。柱に刻んだ星など精巧な細工はその技の見せどころ。「この技術をもっと広めたい」と夢を語った。
9月29日、清川口駅リニューアル記念イベントが開催
9月29日(土)午前9時半より午後3時まで、清川口駅の待合室で、リニューアル記念イベントが開かれる。駅の歴史資料の展示や、トレインペーパークラフトの製作体験のほか、鉄道模型を走らせる。また時間内に駅に到着する列車から降りる乗客に「清川口駅下車記念証明書」が渡される。そのほか、市の特産、ホッキ貝の寿司をイメージした公式キャラクター「ずーしーほっきー」も登場する。
道南いさりび鉄道の経営企画部企画営業課の勝又康郎さん(写真右)は「予想外に良い駅舎になり驚いている。北斗市役所の皆様に鉄道愛が溢れており、ありがたい。この機会にいさりび鉄道に乗車して、海の幸・山の幸の美味しい物が溢れる北斗市に来てほしい」と来場を呼び掛けている。 また、イベントのない日でも見どころはある。駅前には、2015年に引退した寝台特急「北斗星」の客車の保存設置をした「北斗の星に願いをプロジェクト推進委員会」の代表・澤田導俊さんが営む澤田米穀店や、独自のずーしーほっきーグッズを数多く販売する上磯事務器など、個性的な地元商店が並ぶ。数分歩けば、函館山が大きく見える海岸にたどり着く。 新しい駅舎には、夜ごと明かりがともされる。市名「北斗」から「北斗星」とかけて、星への「願いがかなう街」になりたいという北斗市。願いが、またひとつ形になった。 (取材・文・撮影:紀あさ)