水以外で飲んでもいい? Q&Aで学ぶ「正しい鎮痛剤の使い方」(専門家が監修)
市販薬と言えども、使い方を間違えれば思わぬトラブルが起こり得るのが医薬品。服用時の飲料や食べ物との組み合わせ、薬どうしの飲み合わせなど、知っておきたい鎮痛剤の選び方、使い方を解説する。
教えてくれた人:児島悠史さん
こじま・ゆうし/薬剤師、薬学修士。京都薬科大学大学院修了。著書に『薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100』『OTC医薬品の比較と使い分け』(共に羊土社)。
※この記事を読む前に
「痛み」には自分でケアできる程度のものもあれば、病院で診てもらう必要のあるものも。単なる「痛み」として軽く捉えると、大事を招きかねないケースは少なくない。薬剤師の児島悠史さんにポイントを聞いた。 「腰痛を例として言えば、おとなしく横になっても痛みが引かなかったり、時間の経過とともに悪化していく人には、内臓疾患が疑われます」 痛む箇所を特定できず、強く押しても痛みの強さに変化がなかったり、尿が出にくくなった、血尿が出たなどというのも内臓疾患が疑われる。 「ピリピリと電気が走るように感じたら、神経障害性疼痛かもしれません。市販薬任せにせず、機会を見つけて受診するのがお勧めです」
① 薬は水以外で飲んでもOK?
市販薬(OTC医薬品)として販売されている痛み止めなら、ジュースやお茶で飲んでも大きな影響はない。ただ例外も多くある。 血栓の予防に使われる「ワーファリン」を青汁で飲むと、効果が弱まり血栓ができやすくなるし、高血圧治療薬「ニソルジピン」をグレープフルーツジュースで飲むと、薬の代謝・分解が邪魔され、血中薬物濃度が4倍に上がって血圧が下がり過ぎることに。 カフェインを含む市販薬は500種以上あるが、コーヒーを一緒に飲むと摂取過多になって、急性中毒を起こすことも。2013年以降、若者の間でカフェインの急性中毒が急増し、心停止や死亡例も発生した。 禁忌のある薬を処方するときは、医師は必ず説明するし、添付文書にも書いてあるはずだ。
気をつけたい飲み物
コーヒー:コーヒー1杯に含まれるカフェインは60~90mg。日本に摂取制限はないが、125~400mgを摂取上限にしている国は多い。 グリーンジュース:「ワーファリン」に影響するビタミンKは、青汁以外に納豆やクロレラにも豊富に含まれる。要注意だ。 フルーツ:グレープフルーツで問題になる成分、「フラノクマリン」はブンタン、ハッサク、金柑などにも含まれる。