リタイア後も年金を受給しながら働きたい!【在職老齢年金】年金が「カットされる・カットされない」ケースとは?
在職老齢年金で年金がカットされるケース・されないケース
在職老齢年金で年金がカットされる・されないケースを、具体例を用いてみていきます。 ●在職老齢年金で年金がカットされないケース ・年金の基本月額:10万円 ・総報酬月額相当額:25万円 基本月額+総報酬月額相当額=35万円 2024年度の支給停止調整額となる50万円を下回っているため、年金はカットされません。 ●在職老齢年金で年金がカットされるケース ・年金の基本月額:15万円 ・総報酬月額相当額:45万円 この場合、基本月額+総報酬月額相当額=60万円 2024年度の支給調整額となる50万円を10万円上回っているため、10万円の2分の1となる5万円が支給停止となります。 ※老齢基礎年金は受給できます。 ※税金等を控除する前の額で計算されます。 年金だけでは生活できないから、と働く人もいるでしょう。 しかし、一定額を超えると年金がカットされる在職老齢年金という制度に疑問を抱く人も少なくないはず。 たしかに、老齢厚生年金を受給しながら厚生年金保険に加入し収入を得る間は、在職老齢年金により年金がカットされる可能性がありますが、厚生年金保険に加入し続けるというメリットがあることも理解しておきましょう。 老齢厚生年金は、厚生年金加入期間が長ければ長いほど、また、その期間中の収入が高ければ高いほど(上限あり)、高くなる仕組みです。 在職老齢年金により年金がカットされることと、厚生年金保険への加入期間が長くなることの両面から、年金を受給しながら働くことのメリット・デメリットを考えてみると良いでしょう。 次章では、実際に支給されている年金額の平均を紹介します。参考にご覧ください。
厚生年金の平均受給額「月額」いくら?
2023年12月25日に厚生労働省より発表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現シニア世代の厚生年金の平均受給額(月額)を見ていきます。 ●厚生年金保険(第1号)受給額の平均 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金の金額を含む 上図は男女別に受給額ごとの人数を示しています。 次に、男女全体の受給額ごとの人数を見てみましょう。 ●厚生年金の受給月額ごとの人数(男女全体) ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 厚生年金(国民年金を含む)を月額10万円以上~11万円未満受け取る人が最も多いことがわかります。 また、このデータからは「1万円未満~30万円以上」と、個人差が大きいこともわかりました。 厚生年金の受給額における個人差は、働き方の違いです。働き方が老後の年金収入に大きく影響することを理解しておくと、将来の年金生活を見据えたキャリアプラン・ライフプランを考えやすくなるでしょう。