島口朗読劇に会場沸く 「シマユムタ伝える会」熱演 奄美大島
鹿児島県の奄美大島に伝わる方言「シマユムタ」の保存と伝承に取り組む「シマユムタを伝える会」(鈴木るり子会長)は21日、奄美市笠利町の県奄美パークでステージイベント「ディ!ま~じん島口でゆらおうディ!」を開いた。60~90代の個性豊かなメンバーが次々と登場し、出身集落の方言で島唄や漫談、朗読劇を披露。来場者はメンバーの方言の違いも楽しんでいた。 鈴木会長は開会のあいさつで「会員には90代の方が5人もいる。80代はメーラベ(お姉さん)、私たち70代はワラブックヮ(子ども)。あと20年ほどで方言が消えるのではないかと心配している。なんとしても残していきたい」と述べた。 最も会場を沸かせたのは島口朗読劇「七ひきの子やぎ」。子やぎを丸飲みにするオオカミのグリム童話を、シマユムタの会が独自に演出。頭にヤギの面をかぶった70~80代の「子ヤギ役」たちが、「ウラやオオカミじゃが~(お前はオオカミだろう)」と必死に叫んだり、「オッカンが戻って来ちゃん(お母さんが帰って来た)」と喜んだりと迫真の演技を披露。方言による愛らしいせりふ回しに会場は笑いに包まれた。 奄美市名瀬から訪れた女性(72)は「私たちの世代は耳では理解できてもここまで上手に話せない。誰もが知る童話を基にした朗読劇は、子どもたちに聴かせるのにもちょうどよい。とても楽しかった」と話した。