アングロはBHPからの買収案を再び拒否、戦略説明求める圧力強まる
(ブルームバーグ): 英資源・鉱業会社アングロ・アメリカンは13日、同社を430億ドル(約6兆7000億円)と評価した豪BHPグループからの2回目の買収提案を拒否した。アングロには独力で生き残るための説得力あるビジョンを打ち出すよう求める圧力が強まっている。
アングロの株主は既に、昨年半ば以来策定が進められている再建計画の加速を会社側に求めている。BHPからの最新提案を拒否したことで、アングロはライバルへの身売りよりも多くの価値を生み出す方策を説明する必要に一段と迫られる。同社は13日、自社の事業計画に自信があると表明し、14日に投資家に報告する方針を明らかにした。
BHPは全株式交換による買収提案を引き上げたが、アングロがすでに実行不可能としていた構造を維持したため、そうした条件での交渉は受け入れにくくなった。BHPは取引を成立させたい場合は、買収条件を改善し、新たな構造で再提案する必要がある。
リベラムのアナリスト、ベン・デービス氏は、BHPは買収したいのは明らかだが、実行リスクは負いたくない考えだと指摘。「アングロの株主が経営陣に対し不満を募らせ、この買収に踏み切るよう圧力をかけることを期待している」と分析した。
アングロの株価は13日に2.4%安の27.07ポンドで終了。これはBHPが提示する27.53ポンドを下回る水準で、今回のディールが前進せず、より好条件の提案も今後見込めないとの投資家の受け止めを示唆している。BHPのロンドン上場株は0.7%安で終了。
世界最大の鉱山会社であるBHPの狙いは、アングロの南米銅資産の取得だ。実現すれば、BHPは鉄鉱石や石炭の広大なポートフォリオと並んで、銅生産でも業界トップとなる。
BHPは修正買収案でアングロ株1株と交換する自社株を0.8132株と、当初案の0.7097株から約15%引き上げたが、南アフリカ共和国の2事業をアングロがまず分離する必要があるとの立場を崩していない。