高校ラグビー 東海大大阪仰星・SO吉田琉生共同主将「相手が何もできないような試合にしたい」7日桐蔭学園と決勝戦
「大阪対決で負けられない相手。最後は押し込まれたが、自分たちを信じてディフェンスをやり切ったのは決勝につながる」
接戦の中、指令塔のそつのないプレーが流れを引き寄せた。常翔学園のお株を奪うかのようにラインアウトからモールを押し込んで2トライを挙げ、10-5で前半を折り返した直後の後半4分だった。
蹴られたボールが左タッチライン側のダイレクトタッチとなり、常翔学園の自陣20メートル付近から東海大大阪仰星ボールのラインアウトでプレーが再開されると、吉田は相手の足が止まった瞬間を見逃さなかった。
「自分の前が空いていた」と相手陣30メートル付近でボールを持っていたFB斎藤泰生(3年)にクイックスローで素早く投げ入れるように指示。ボールを受けると、鮮やかなステップで中央に斬り込んでトライを決めてリードを広げると、20分までにさらに2トライを加えた。
クイックスローについて「今までやったことがないプレーでしたが、ルールを理解していた」とイメージはあったといい、「相手が油断しているところを突けた」と誇らしげに振り返る。
ただ、後半の反則数は相手の3倍となる9。特に28分、31分と2人のシンビン(10分間の一時退場)を出し、懸命の防御で窮地をしのいだ。
決勝の相手の桐蔭学園は前回王者で、この10年で3度優勝している強豪。昨季は準々決勝で24-34で敗れた。吉田は「悔しかった。規律をしっかり守り、相手が攻守ともに何もできないような試合にしたい」と、雪辱とともに3大会ぶりの王座奪還を誓った。(月僧正弥)