1892年創業の老舗せんべい店、1種類のみ焼いてきたが…進化に挑む4代目が行き着いた「キャラメル味」
22年には、新作の試作も開始。従来の味は、常連客から「素朴」「上品」と評価してもらえているが、若い人らに客層を広げるには「さらに工夫する必要を感じた」という。イチゴ、抹茶など様々な味を試し、キャラメルに行き着いた。「年代を問わず親しまれ、国内で流通して100年以上という歴史が店と重なる」と感じた。
二つのせんべいに焦がしバターとカラメル蜜を塗る。塩も利かせ、コク深い甘さを楽しめる商品に仕上げた。5月に販売を開始。キャラメル味をネットで調べたという、子ども連れや若い女性の観光客が買いに来てくれることも増えた。店を先導する息子の姿に、和則さんは「次の100年に店をつなぐ改革をしてくれる」と目を細める。
小玉さんは「初めての方々にも、気軽に手に取れるお菓子を目指したい。できた商品がこれまでと変わっても、ひいばあちゃんは見守ってくれるはずだ」と表情を引き締めた。