ジュリアーノ・シメオネ(C)Getty Images

今季アトレティコ・マドリーでブレイクを果たしたFWジュリアーノ・シメオネは、ディエゴ・シメオネ監督の三男としてではなく、「ジュリアーノ」という選手としてキャリアを築いていく意思を示している。 16歳で入団したアトレティコの下部組織で大きな存在感を放ったジュリアーノは、昨季レンタルによってアラベスで過ごして経験を積み、今季からアトレティコのトップチームでプレー。アトレティコは今季序盤こそ低調だったが、21歳FWが出番を増やしたタイミングあたりから一気に調子を上げた。 ジュリアーノは4-4-2の右サイドハーフとして、凄まじいスピードでピッチを駆け抜け。相手守備陣に穴を空ける。それだけでなくラインを割りそうなボールに必死に追いつこうとするガッツや、相手との競り合いで負けまいとする闘争心は父親のDNAを受け継いでいることを感じさせ、サポーターから愛される存在となっている。 そんなジュリアーノは『ESPN』とのインタビューで、ユニフォームに「ジュリアーノ・シメネネ」ではなく、「ジュリアーノ」とだけ表記していることについて質問された。21歳FWはシメオネというファミリーネームに誇りを感じていることを強調しながらも“シメオネの息子”としてではなく、“ジュリアーノという選手”として足跡を残していく意欲を口にしている。 「もちろん、僕はシメオネだ。だけど、ジュリアーノとして道を切り拓いていきたんだ」 「初めて自分の名前をユニフォームにプリントしたのは、アトレティコのBチームでプレーし始めたときだった。そのとき、自分の名前だけを表記することを決めたんだよ。もちろん、自分のファミリーネームのことは、本当に誇らしく思っている」 「僕は必要とされているプレーを見せて、アトレティコは助けていきたい。走ることでもスペースをつくることでもアシストでもゴールでも何でもいいさ」 なお父親のシメオネ監督は「私はアルゼンチンの五輪代表に呼ばれたジュリアーノに注目し、自分にこう言い聞かせたんだ。『私は彼の父親だ。しかし馬鹿にはなれない』とね」「私が望むのは勝利であり、彼の名前はシメオネでもペレスでも何だっていい。何より素晴らしいのは、彼自身がそれを理解しているということにほかならない」」と、ジュリアーノを息子としてではなく選手として認めていることを強調した。